【君たちだけのヒーロー】

 僕と同じく戦隊ものが好きな君。

 やがて僕らは家族に。

 子宝に恵まれ、夢にも近づいたが、仕事はまだ選べない。


 舞台袖で君の言葉を思い出す。


「いいじゃん、私たちだけのヒーロー」


 いざ壇上で口上。


「ぐはは。かかってこい!」


 観客席から小さながんばれの声。

 それが悪役への声援だと僕だけが知っている。

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