57話・話したいけど分からない

設定をまとめた物を書こうかと最近考え中

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 レイエスがメイドとして雇用した8人をどこかに連れていき、私は昨日の奴隷の子達の隷属の首輪を外すために会いに行く、隷属の首輪はこの世界では奴隷に必ずつけられる首輪で、首輪に設定された主の命令を絶対に聞かせる代物だ、奴隷につけられるといったが、これを着けられることが奴隷になることを表している、どんな服装をしていようと、この首輪が付いていれば奴隷として扱われるのだ。

 私の元に来てそんなものを着けている必要はない……、と、言うつもりだったのだが、昨日購入した13人、その内8人は私達を強く警戒しており、敵意を向けてくる、せめて食事くらいは取ってほしいものだが、衰弱毒でも入っていると思っているのか一切食べてくれない、仕方ない暫くは命令で食べさせるしかない、問題は残り5人の方、一体何をされたのか、心が完全に壊れている、何をやっても明確な反応が返ってこない、唯一命令に関しては行動という答えが返ってくるものの返事がない、さて、どうするか、正直言って記憶の一部や魔力を共有している、自分の身内と言える存在でさえほとんど喋れていないのだ、私に他人の心をどうこうできるとは到底思えない、そうは言っても私の身内の中に心の治療ができる人員もいない、今のところは打つ手なしだ、周りにいた子達に定期的に食事を与えるように言って、私は仕事場に戻る。


 私が仕事場に戻るのと同時に、そこへシルキーが昼食を持ってきてくれていた、そして、更に同時にバルドルフが一通の手紙を持って私の仕事場に来ていた、取りあえず、手紙の方を優先する、手紙には、まさかの明日王城へ来るようにと書いてあった、何故来ないのかとも思ったが、本来は、帝国のように上が簡単に動く方がおかしいのだ、手紙の内容を簡単に確認し、昼食をとる、食べている間バルドルフは何かを驚いてこちらを見ていたが私は気にしないことにした、昼食を食べ終わり私はバルドルフに質問をする。


「バルドルフ、ちょっといい?」


「はい、何でしょうか」


「人と話すためにはどうしたらいいと思いますか?」


「人と話す……とは?」


「バルドルフ達とです、出来れば近しい人とくらいは話せるようになりたいんですが……」


「では、まず、今回のようにヤミリシア様から話しかけられてはどうですか?」


「私から……ですが、どうやって話しかければばいいのか……」


「どんな内容でもいいのですよ、身の周りの些細なことをきっかけにすればいいんです、此処にいる誰もヤミリシア様を嫌っているものはいないのですから、ヤミリシア様の方から話しかければ自然と還してくれます」


「そう……なのでしょうか、最近何故か避けられているような気がするのですが」


「そのようなことはありません、そう感じるのだとすれば、余計話しかけていくことが重要です」


「そうなのでしょうか……」


「まずはその言葉の固さを外してみましょう」


「言葉の固さ……ですか?」


「そうです、もっと柔らかくお話しされてください、出来れば笑顔で話されるのがいいかと……」


「こうですかね……」


 私はいつもやっている営業スマイルをする、これ以外の笑顔を知らないというのが本音だが。


「ダメです、それでは話し相手の方は飲まれてしまいます」


「飲まれる……とは何ですか?」


「その笑顔に飲まれるのです、相手の方が鼠だとすれば、その前におなかをすかせた虎を置くようなものです」


「すみません……」


「まずは笑顔の練習からしましょう」


 そのままシルキーが夕食を持ってくるまで、バルドルフによる私の笑顔練習は続いたのだった。

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書いておきながらあれなんですけど、どんな笑顔なんでしょうね

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