♯26 ケリーのお願い
暑い夏の8月が通り過ぎ、9月。
今日アメリカ、テキサスのアーリントンでは温度が36度まで上がった。
涼しい喫茶店「ビーニーズ2号店」では、お客さんで賑わう。9月、少し涼しくなる季節のはずが36度もあり、店内は半袖半ズボンを着た人たちでいっぱいだ。
チャービルも1人だが、半袖に長ズボンだ。赤色のチェックのポロシャツに黒のカラージーパンを履いている。
その目の前には、パンダのような顔をした男グスマンがいる。グスマンはみんなと同じく、半袖半ズボンで、赤色の普通のシャツに赤色の半ズボンというちょっと奇抜な服装を今日はしている。
2人はいつものように窓際のソファーテーブル席にすわっている。
チャービルとグスマンは冷たいコーヒーを飲んでいる。話をしているところに、ケリーがやってくる。
ケリーは挨拶を2人にする。
やあ、グスマン、ビル!
やあ!! ケリー!
と、チャービルが言う。
おはよ、ケリー。
そうグスマンが言う。
ケリーはチャービルの隣に座る。ちなみに位置関係は真ん中にテーブル、左右にソファー、右のソファーにチャービルとケリー。左にグスマンだ。チャービルとケリーが入口側だ。すぐそこに入口の近くにレジがある。
ねえ、聞いてアンケ覚えてる? 私の友達の。
アンケ? アンケ・マルツだろ?
と、チャービルが答える。
そう、そのアンケと久しぶりに会ったの。そしたらね、なんと! 彼女先週にアパートが火事になったんだって!
なんだって!? 本当か?
ええ、なんでも今回はそのアパートに火をつけた犯人が居るそうよ。
それは災難だな。その犯人は?
捕まったわよ。それでいま私の家に居るんだけど、あなたの大家さんにはなしてみてほしいのよ。
え? おれが?
あなた以外だれがいるのよ。そういえば荷物は大丈夫だったの?
荷物? 本9冊にズボン4着、長Tシャツ6枚、靴1足、歯磨き粉にあとあったのはかみつきばあちゃん消しゴムにバトル鉛筆、ダイヤモンドゲームだけだ。あとは燃えた。
それは災難ね。
まあ歯磨き粉は捨てたけどね。
ねえ、お願い! 大家さんに聞いてみて?
え〜! やだよ、その人がうちの近くになるんだろ? きみの友だちがいるのはなんだか落ち着かないよ。
あっそう。いいのかしら、この前の借りがあること忘れた? それでチャラにしてあげる。
なんだって? それはいいな。でもなんでだ? 君の家にいるのは嫌なのか?
そうじゃないけど、私家でも仕事する時あるから友達にうるさいかなって。
あーなるほど。わかったよ、聞いてみるよ。
ありがとう!! ビル!
どういたしまして。
さて、もう行こう。
と、グスマンが言う。
チャービルはケリーの友達のアンケ・マルツの部屋の件を大家ダニエルに後で話すようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます