美術館
皆様、本日は当美術館にご来場いただき有り難うございます
当美術館は少々変わった展示をしております
通常の美術館では美術品を見るのが普通だと思いますが、当美術館ではご来場の皆様には「美術品に見られる立場」になって鑑賞体験のできる美術館となっております
最初のフロアのテーマは「鑑賞」です
どうでしょう皆様!何か見られている感じがしませんか?
額に飾られた絵は皆様と目が合いますでしょう!
100を超える絵がこの空間でまず皆様を吟味致します
いかがですか?一方的に品定めされ評価される気持ちは!
続きまして「作品」です
このフロアの絵は先程と違い皆様の興味を引くため創意工夫されています
あなたに優しく微笑みかける絵、変顔で笑わせようとする絵、気高さを表した絵等様々です
ちなみにこのフロアの美術品はご購入が可能です!
皆様のご自宅にもきっとお似合いでしょう
気に入るものがありましたらぜひ私めにお声がけを!
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他の皆様は絵に夢中で貴方と二人になってしまいましたね。良くあることなんです
他のお客様は別の案内人にお任せして、さぁ次のフロアへいきましょう
最後のフロアは「研磨」です
絵として光を浴びるにはどうすればよいか?構図、表情、テーマ、モチーフ、世論、ありとあらゆるものを考える必要があります
彼らは外に出るためにこのフロアでありとあらゆる工夫をするのです
そして美術館に認められた者が先程のフロアで値付けされ外に出ていくのです
中には外に出られない事に絶望する絵もあり絵にならなくなってしまうものもごさいます
おっとお客様!絵に触れるのはおやめください!けして安いものではありませんので
えっ?絵の人物が息子に似ている?
そうでしたか。。。息子を返せ、ですか?それはできません
そもそも彼は自らの意志で絵になったのです
そそのかされた、、、ですか
だとしてもそうなる事を選んだのは彼ですので
どうしてもと言うならお客様の手でご購入いただく必要があります
お値段ですか?それはあなたが決めるのです
貴方が彼の人生に「いくらの価値があるのかを」貴方が今、この場で決めるのです
本当に救いたいと思うなら!いくらでも良いはずです!
さぁ、いくらですか?
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