しまこの昔話③

しまこは赤いランドセルをしょって歩いていました。

学校からの帰り道です。

青い空でした。

緑の草が、フェンスの向こうに映えていました。

白い雲がもくもくしていました。


ふいに衝撃が走りました!

痛い!!


「しまちゃん!」


友だちの声が遠くでしました。




しまこは蓋のない側溝に落っこちたのです。

小さなしまこは、側溝に背中から落ち、はまりこんで身動きがとれなくなりました。



「どうして落ちたの?」

「わかんない」

「あたし、しまちゃんがいきなり消えてびっくりした!」




今では側溝に落ちることはありません。

だって、たいてい蓋がしてあるからです。


よかった。

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