じょしせき
次男が小学生のころ、「助」という漢字を教えていた。
訓読みの「助ける」はいいけれど、音読みの「じょ」はあまりぴんとこないようすだった。
「救助」いや、そもそも「救」の字を習っていない。
「助手」! いいじゃない、「手」はもう習っている。
「『助手』の『じょ』だよ」
「じょしゅ?」
「何かをするときに、助けとなるひとのこと。ほら、『選手』も『手』がつくでしょ?」
いまいち分からないようす。
しまった。漢字はいいけれど、言葉が難しかったか……。
「あ! 車の運転席の隣は『助手席』でしょ? あの『助手』だよ!」
我ながらいいことを思いついたと思った。
しかし、次男は首をかしげて言った。
「え? 運転席のとなりは、『じょしせき』でしょ?」
「は?」
「男子女子の、女子。『女子席』!」
「は? じゃあ、後ろの席は?」
「『子ども席』!」
「えーとじゃあ、一番後ろの席は?」
「『おじいちゃんおばあちゃん席』!」
ある意味当たっている。
確かに、夫くんが運転するとき、わたしが隣に座っている。
ゆえに「女子の席」。なるほど。
子どもたちはいつもその後ろの席。祖父母が来たときは、一番後ろの席。なるほど。
もう、運転席の横は「女子席」でいいかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます