常備しているもの
西さんちには常備しているものがいくつかあります。
①傘
②折り畳み傘
③三角定規のセット
④分度器
⑤コンパス
傘はね、すぐ壊れるんです。
こないだは長男が、傘の先のところ(手に持ったとき地面につくところ)に穴があいて壊れたから、新しいのちょうだい、と言いました。
え? それって、がーって地面にこすりつけていたら、穴があいたんですよね?
と思ったけど、言いませんでした。
或いは傘はなくなるんです。不思議なことに。
三角定規と分度器とコンパスは、突然必要になるらしいのです。
朝、突然言われます。
「三角定規ちょうだい!」「分度器ちょうだい!」「コンパスちょうだい!」
コンパスバージョンでお届けすると、こんな感じ。
「え? コンパス、持ってたよね? 2つ。どこにやったの?」
「知らんけど、ない」
「1つは自分が使って、1つは友だちに貸すって言って、毎回2つ持っていってたよね?」
「そうなんだけど、ないんだよ」
わたしはすっと常備していたコンパスを差し出すのです。
怒っても無駄です。
物の大切さはずっと言い続けていますが、人間には出来ることと出来ないことがあるのです。
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