後ろから呼ばれると一回転

 片耳難聴の私は、音が聞こえてくる方向を聞き分ける能力が、極端に低い。

 視界に入らない位置から「○○さん!」と声をかけられると、相手がどこにいるのか、本気でわからない。


 ――いや、「こっちから呼ばれた」と思う方向は一応あるものの(後略)。


 他者からは、「くるりと一回転した上で、全く見当違いの方向をキョロキョロ探している妙な人」に見えるはず……。


 対面で喋っている分には支障ないけれど、実は耳が片方悪い。

 という場合、多分こうなるので、もし周囲に似た振る舞いをする人がいたならば、その可能性を考えてみてもいいかもしれない。


   ◇


 応用編。


 コの字型に並んだ机に、面接官と係員(8~9人)が座っています。

 面接官は中高年の男性ばかりで、全員初対面です。

 自己アピール後、面接官2、3人から質問されました。


 ……えー、今、質問なさったのはどなたでしょうか?

(真正面以外の面接官からも質問された)



 複数人との会話でも、相手が知り合いならば声で誰が喋っているか把握できるが、初対面だとそうはいかない。自然、口の動きや身体の向き、身振りなどの「喋っている様子」で、発言者を判断することになる。

 過去、面接官が横一列に並んでいる際に「誰?」と悩んだ覚えはないのだけれど、コの字型だとどうやら、全員の口を視界に入れるのが難しいらしい。正面に座っている人はともかく、自分に対して縦の列の方々……。全員おじさんのため、声質で見当つけることもできないし。

 終了後、(こんなケースもあり得るんだなぁ)と、何かしみじみ感心してしまった。


 というわけで、世の面接官の皆さんは、軽く手を挙げるなど「いかにも今から発言するっぽい合図」をしていただけると助かります。

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