第6話 神
彼らは神の前でひれ伏し天の恵みを求めた
神は空から一息吹きかけた
彼らは大いに歓喜した
神は息をしなくなった
彼らは神の下で踊り雨を求めた
神は一滴の涙をこぼした
彼らは頭を何度も揺らした
神は涙を流すことを忘れた
彼らは争いを止めるよう祈った
神は両手で二つを分断した
争いは止まり平和が訪れた
神は手を失った
神は何もできなくなった
彼らはそれでもなお神を求め続けた
神は衰え、彼らはその存在を忘れた
彼らは神に頼ることを忘れた
畑を耕し、水を引き、言葉を覚えるようになった
争いは増すばかりであった
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