幽霊の種 ~呪術師 円城環~
Tempp @ぷかぷか
Prologue.幽霊の種
その荒唐無稽な話は円城の収入の種になるかもしれず、同時に仕事で知り得た知識からは、危険そうだという思いを抱いていた。
「な、だから1度見に来てくれよ、本当に。こんな話、信じるのはお前くらいしかいないんだよ」
「あのね、俺だってわけのわからない話を頭から信じるわけじゃないんだよ」
「入院しててるのはすぐ近くの
環のいるここは
そして環は目立つ。長い髪を頭の上の方でくくって垂らし、サブカルとしか言いようがない少し妙な格好をしながら時折気持ち悪くくふくふと笑っているものだから、『クウェスの奇人』としてちょっとした名物となっている。
今日だって真夏というのに、そして環は四捨五入すれば30だというのに、黒と白のボーダーの長袖ドレスシャツに膝丈のモスグリーンのパンツを穿いて同色のブリーフケースを斜めがけにしている。
それで環の目の前でわずかに声を荒らげている社会人然とした男は
「それでその『幽霊の種』というものはどういうものなんだ」
「信じてもらえないかも知れないが」
「信じてほしいのか信じてほしくないのかどっちなんだよ」
そうして研司が話し始めたのはこんな話だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます