第10話
僕による巨大な狼の魔物との激闘。
「ふいー」
それは神桜さんが呼んできてくれた冒険者たちが代わりに戦ってくれたことで終わりを迎え、僕は隅っこの方で楽出来ていた。
「うおッ!?やべぇ!?攻撃が重いぞッ!!!」
「か、硬……」
「あっ、そいつ。めっちゃんこ回避ムズい風のブレスを口から吐いてくるので気をつけてくださいね!」
「うぉ!?マジか……まだ先がありやがるのか、こいつ」
「……想像より強くないかしら?これ」
僕の代わりに巨大な狼の魔物と戦ってくれているのは結構強めの冒険者パーティで、前衛である男二人に、中衛と思われる女一人。最後に後衛と思われる男一人に女一人というパーティーであった。
結構バランスの良いパーティーであると思う。
「30階層の魔物だと思って気を引き締めていくぞッ!!!」
「おうッ!」
「りょ」
「わかったわッ!」
「うむ」
目の前で巨大な狼の魔物とがぶつかり合い、激しさを増していく。
「ほぇー」
そんな光景を前に良く僕が巨大な狼の魔物と戦えていたな、と思いつつ僕はぼーっと隅っこで大人しくしている。
「大丈夫だった?」
そんな僕へと冒険者パーティーを呼んできてくれた神桜さんが近づいてきた。
「うん。見ての通り。無傷だよ……まぁ、一発当たれば死なので、無傷で当然なんだけど」
たった一発でも僕に攻撃が当たればジ・エンド。
終わってしまうので、無傷が最低条件となる。
「そ、そうなんだ……ありがと、守ってくれて」
「良いってことよ。同じクラスメートじゃないか。全然気にしなくて良いよ……普段、クラスの全体行事などで積極的に参加しなくて迷惑かけている自覚はあるからね……」
「いや!全然そんなことはないよ。ちゃんと真面目に参加してくれるだけありがたいから!」
「そう言ってくれるだけで嬉しいよ……ほんと」
冒険者パーティーが巨大な狼の魔物と戦ってくれている間、僕と神桜さんはの隅っこの方で会話を続けた。
■■■■■
「……青春だねー」
「そうね……良いわね」
いつの間にか巨大な狼の魔物を倒していた冒険者パーティーが二人で会話している僕と神桜さんを見てそう感想を漏らす。
「別にそういうわけじゃないですよ?」
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