2. SF書くにあたって
わたしはカクヨムに乗せているのは、主に二種類あり、
・ロボットやパワードスーツなどが出てくるSF
・昔話をモチーフにしたコメディ
大別するとこんなかんじです。
特にSFなんかはグロ系も入れたり、エロも交えます(カクヨムに掲載しているのは、少し抑え気味に修正してあります)。これら苦手な人もいらっしゃるかと思いますが、逆にこれらの要素がないとつまらないという人も一定数いらっしゃるので、わたしは後者側です。
昔見た『フレディVSジェイソン』のオーディオコメンタリーで、「恐怖とエロは相性がいい」みたいなことを言っていたと記憶しています。美女のシャワーシーンは狂気の前振り、みたいなパターンがあるようで、思い返してみると「そうかも」と思ってしまいます。
ホラー・スリラーに関わらず、多少の性表現みたいなものは必要かな、とは思っています。作り物感といいますか、人間の営みを描く中で、一切の性表現がないことはどこか違和感があると思いますし、人間臭さを演出するにはとても便利なツールではないか、と思っているのです。
エロから離れましょう。
昔見た漫画で、宇宙での船外活動で重そうな障害物をスイスイ動かしている表現を見たことがあったのですが、物理を勉強した上で見ると、とても違和感のあるものでした。
特に昔の作品で、宇宙って重さがなくなるからどんなものでも運ぶの楽ちん、みたいな書かれ方がされているものがあるんですが、あれって質量の概念からはおかしな現象なんですよね。宇宙では重力の影響がないから重くはないけど、質量は存在したままだから、重量物は動かしにくい。だから、何千キログラムもある質量の物体を人力で動かすのは一苦労だろうし、一度動き出したら止めるのも困難。もしそんな荷物に挟まれでもしたら、抵抗空しく押し潰されてしまうでしょう。
何が言いたいか。
何も作中の演出にケチをつけたいわけではありません。
文系はSFを書くな、などと言うつもりも毛頭ありません(むしろ、既存の概念に囚われないアイデアを生み出すのではないか、という期待を持っています)。
現実とは違う現象や演出が起きるからこそSFって楽しめると思っています。
大事なのは、「なぜそんなことが起こるのか」を、作者自身が理解しているか、だと思います。物語の構成上、すぐに種明かしがされない、もしくは種明かしすらないこともあるかとは思いますが。読者の「これはどういうこと?」に対して作者は「これはこういう現象が起こっていて……」という答えを持っていることが大事だと思うのです。
例えば、
「このロボットは重すぎてこんな動きはできないはず」
という意見に対して
「そんなこと言ったらお話が破綻しちゃうじゃん」
のような投げやりではなく、
「これは慣性制御技術が使われているから重量に似合わない機動が可能」
みたいな自分なりの「作中の理屈」を持つSFがいいなと。
今回の例についても、専門知識を持っている人は「いやでもさ」と言いたいことがあるかもしれませんが、正直いたちごっこだと思います。
世間で絶賛されている作品でも、その道の第一人者からすると「ここがおかしい」って苦言を呈することもあると思うので、これはもう違和感を覚える人が多いか少ないかの違いでしかないのではないかと。
わたしの大好きな「マブラヴ」のスピンオフ作品「シュヴァルツェスマーケン」という小説・アニメ・ゲームも、ファンの中では大変評価が高い作品ですが、「ドイツ語がおかしい」「こんな使い方しない」など、批判的な方もいらっしゃいますので。
とにかく、「自分が納得する世界観を持っている」ことが大事なんです。
それを持っていれば、異世界で日本語が通ようが海の中で呼吸ができようが音速の何倍もの速度で人が空を飛んでもいいわけです。
わたし自身も浅学故に、科学的な説明が徹底できていない部分があり、この文章で出た発言がブーメランで返ってきてしまうことがままあります。
設定作る際、大学時代のテキストなんか、ひっくり返して読むこともあります。
ありますが、だいたい概論の部分に目を通すことが多く、具体的な解析が必要になってしまうとわたしなんかは挫折してしまいます。
なので、もし投稿している作品に科学的な突っ込みが入った場合はまずはラッキーと思い、判断材料のひとつとして受け止め、作品クオリティを上げるために役立てればいいのではないかと思っています。
ただし、他人からの指摘を鵜呑みにはしない方がいいとも思います。
科学的な正誤だけの話だけでなく、研究者によって見解が分かれるというのは、科学の世界に限らずあるあるです。専門家が100人いれば100通りの答えがある、なんてよくあることです。
なので、「こうではないのか?」はきっかけで、そこから自分で調べ、納得のいくロジックを組んでまずは自分で納得できるようにしましょう。
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