第39話
「うわーん!どれがいいの!?」
「さすがの俺も疲れた……」
私たちは結婚式場選びに迷っていた。金銭面は正直問題ないが、あまりにも良すぎて迷っている。
「あ、ごめん。電話だ。」
「はい、出てください!」
蓬莱さんは電話に出たあと戻ってくるとこっちを見て目をキラキラさせ
「俺の担当したお客さんが結婚式場のほうを経営してるんだけど割引きもするし、いまやりたいこと全部叶えてくれるって言ってるんだけど、話聞きに行かない?」
そんな都合のいい話あっていいのかと思ったが、
「いく!」
と私は考えるよりもさきに言葉がでていた。
「どうぞこちらに」
「すごい……!」
蓬莱さんのお客さんだった顔立ちのいいイケメンな
「蓬莱さん、ここを紹介してくれてありがとう!」
私は感謝でしかない。私はそう言うと
「一生に1度俺たちのために色んな人が集まってくれるためのものだからこれぐらいしなきゃね。」
と笑う。蓬莱さんは突然ニヤニヤして
「いつになったら智って呼んでくれるの?」
私は真っ赤になってしまい、蓬莱さんは笑う。
「未来の蓬莱さーん?」
「はい……」
「俺の嫁は可愛いなぁ……」
「そ、そんなこと……!」
「一緒に楽しい日も辛い日も乗り越えようね」
「もちろんです!」
「そこー、イチャつくなぁー!」
私たちのイチャつきに齋藤さんは苦笑いしていた。
「このドレスどうですか?」
「いいんじゃない?」
ウェディングドレスの試着をしているのだが、どれも蓬莱さんはいいと言うばかりで詳しく教えてくれない。
「もう!もっとこれがいいとかないんですか!?」
と私は少し怒りながら言うと
「だって……なんでも似合いすぎるし、あ、でも桜が言うなら露出しないこれは……」
「ぎゃー!!やっぱり聞くんじゃなかった!!」
蓬莱さんは冗談まじりで私を笑顔にしてくれた。結局ウェディングドレスは私自信がお姫様に憧れていたから、プリンセスラインのドレスにした。
帰ってから私と蓬莱さんは結婚式とそれぞれの仕事や課題に追われていた。結婚式をあげるのは私が大学を卒業した後すぐという予定にした。
「あと8ヶ月か……」
私は就職は決まったものの、論文が残ってるし、部活もあるし、やることはたくさんある。蓬莱さんも仕事もあるし、結婚式のことはよく齋藤さんと電話を取っている。申し訳ないと伝えると蓬莱さんは
「桜と結婚式をあげられるだけで幸せだから。」
大人びた蓬莱さんにキュンとした。
「私も……智さんと居ることが幸せです!」
「あ!智って言った!」
「うふふ、智さーん」
「なーに桜?」
「大好きです」
「俺は愛してる」
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