第1話

多磨湖ちゃんは、腹黒い市江様々な噂を流された。

「魔性の女」

人の彼氏を奪ったわけじゃない。

ぶりっ子しているわけでもないのに、市江ちゃんは気に入らないために、校内で噂を流す。


多磨湖ちゃんは、机でひどく落ち込んでいる様子だったので、あたしは声をかけることにした。

「ひどく落ち込んでるみたいだけど、そう見えただけ?」

「そんなことないとは思う」

「ううん、あたしはわかるよ。

多磨湖ちゃんの幼馴染みだから」

「ありがとう。 だけど、毎ちゃんを巻き込むわけにはいかない」


長く伸ばした髪を、多磨湖ちゃんはボブカットにしていた。

理由は市江ちゃんが「長い髪で寅野君を挑発してる」ととるから。


あたしは喧嘩に強くなって、市江ちゃんなんてボコボコにできるのに、それは女同士には通らない。

女同士の喧嘩は殴り合いじゃなくて、無言の圧力とか、噂による第三者を使った攻撃だから。


しかも、市江ちゃんは4人グループでの精神的攻撃。

あたしがどう立ち向かえばいいのかわからなかった。

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