第5話

満たされたいあたし。

ここで、あたしは、悪者にでもなって、みなちゃまから注目されてもいいかなと思い始めました。


名前は、蛇黒女じゃこくじょ

手下には、蛇黒神がいて、あたしはそれを具現化できる神と言ってもいい、女王様と言ってもいい存在になるのです。

ヒカリちゃまも、元はあたしの恋人にしたい存在だったのです。


思い出したくなかったけれど、ヒカリちゃまの優しさに惹かれて、

「あたしと付き合ってくれませんか?」

と告白したけど、振られてしまったのです。


「なぜなのですか?」

「俺には弟がいるんだ」

「弟・・・・?」


あたしは、ここで弟のヤミーちゃまに嫉妬を感じたけれど、あたしは自分の感情でさえもごまかすようになっていたのです。

みなちゃまのリーダーで、みなちゃまのいい人で、みなちゃまの頼れるお姉ちゃまになりたいのです。


「うん。 弟は今は、俺がいないとだめなくらい、手がかかるんだ。

だから、デートとかする時間とかないかも」

「それなら、あたしも一緒に面倒を見るのです」

「ごめん。 それに、両親からも、彼女は大人になってから作りなさいって言われてて、何せ、うちの両親は高校生で俺たちを産んで育てて苦労したいで、自分の子供に同じ苦労をしてほしくないという思いもあるからさ」

「そうなのですか・・・」


納得してなかったのです。

こんなことも受け入れられないあたしは、根っからの子供みたいなのです。

両親も、弟も、ヒカリちゃまのまわりにいる人間、いなくなればいいみたいなことを思ってしまったのです。

大人になりきれないあたしがここにいたのです。


そういえば、咲良ちゃん、さくらさん、櫻君で集まった時に誰をリーダーにするかという話になった時も、

最初はさくらさんが年長者ということでリーダーにしようという話がでたのに、

「そんなのいやなのです。 あたしがリーダーでいたいのです」

駄々をこねて、やっとリーダーにしてもらえたのです。


そこで、「櫻君は副リーダーに相応しいと思うにゃ」

「おいらがですか?」

「そうにゃ」


そこは、あたしも賛成だったのです。

「あたしも、櫻君は副リーダーに相応しいと思うのです。

あたしの次に年長者となるのですから」

「ありがとうですぞ。遠慮なく、副リーダーにさせてもらいますぞ」

「桜、リーダーおめでとうでござる。

櫻君、副リーダー、おめでとうでござる」


メンバーの呼び名で考えている時も、

櫻君と咲良ちゃんはすぐ決まったのに、あたし、さくらさん、サクラ様の呼び名はすごく揉めたのです。

あたしは、桜様とも、桜さんとも呼ばれたかったのです。

一番、呼ばれたいのは、桜様なので、そこは譲れなかったのです。

そこで、さくらさんが決まった時に、

桜か桜様のどちらかが候補として残ったのです。

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