サンタと秘密のおもちゃ工場〔director's cut〕
津多 時ロウ
第1話 バーボン。水割りだ。
人が意図して視界から外す路地裏の闇の中、突然の光とともに男が膝から崩れ落ちた。見れば、心臓付近に直径一センチほどの穴が空いている。見る間に辺りは血の海になり、もの言わぬ男が身を投げた。
オイルライターで葉巻に火を点け、ふぅーと
「地獄でねんねしな……」
* * *
カランコロン
時代が
店内は扉と同様に年老いた家具で
「いつもの」
先ほど入店した赤い服の
「畏まりました。お連れの方は?」
そう言ってカウンターの男が赤服の後ろをちらりと見遣ると、そこには揃いの焦げ茶の迷彩服を着た男が六人、ピンボール台に群がっていた。
「放っておけ」
「畏まりました」
ここは仕事を終えた男たちが
カウンターの男――チャーリーのマスターはグラスを取り出すと、
「ごゆっくり」
そうして出来上がった水割り、それとチェイサーを静かに置けば、赤服の
おまけに顔に十字の大きな
その危険な雰囲気のこの男がバーボンを飲み始め、十五分か二〇分ほど経った頃にマスターが声を掛ける。
「お客様、新しいおもちゃはいかがでしょうか。今夜は二つございます」
「……頼もうか」
サンタが重々しく答えると、どこからかカチカチと音がした。その直後、サンタのサングラスにメッセージが表示される。
『
【オーダー】
★行方不明になる子供、倒れるまでおもちゃで遊ぶ子供がいる。
情報を集め報告せよ。
★クルードトイ社の社長に被害者への賠償を約束させよ。
発令 ラヴクラフト財団
執行 イマジナリーアームズ
』
サンタはニヤリと
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