第89話:絶縁。

今回は、ノロケやイチャラブはございません。

いいかげんイチャイチャに飽きてきてる方には丁度いい中和剤になるんじゃ

ないでしょうか。


実は嫁さんは実の兄とは今、絶縁状態にあります。


その昔、嫁さんはひとつ年上の兄が走り屋さん「旧車会」に

入っていて、警察のお世話になった時、僕に迷惑がかかるから

別れようって言ったんです。

でも、そんなことくらいじゃ僕は嫁さんを諦めるつもりはありません。


兄弟と言えども兄がしでかした過ちで僕たちの関係が危うくなる

なんて許せるわけないですからね。


嫁さんの兄は暴力的で言葉づかいに思いやりがなく

僕と付き合ってない時から、嫁さんを困らせられていたようです。


まあ嫁さんにとっては、それがトラウマになっているから

僕は嫁さんに対して、偉そうに命令口調でしゃべったことは一度もないです。

おまえよばわりもしたこともないです。

名前があるんだからね。


そしてそれに加えて運命のいたずらって言うんでしょうか。


嫁さんの兄が結婚するってことになって、その奥さんがなんと

嫁さんの高校時代の同級生で、しかも犬猿の仲だった人物。

最悪の再開です。


で兄が結婚してからも相性が悪いものどうし相入れるわけがないんです。


「あんたのお母さん亡くなったから」って、亡くなってもないのに

そんな嫌がらせの電話がかかってくるようになって、人のすることじゃ

ないですよね。

僕が見てても嫁さんの兄の奥さん、めちゃ冷たくて義理の両親

にも他人にも思いやりのない人、性根が腐ってるって思いました。


で結局、嫁さんは兄の奥さんとだんだん意見が合わなくなって

もめたあげく、起こった兄が我が家にやってきて、おまえんとことは

縁を切るって吐き捨てるように言って帰って行きました。

奥さんも奥さんなら、嫁さんの兄も兄。

類は友を呼ぶってこのことなんでしょうね。


で、それ以来兄夫婦とは交流がなくなってしまいました。

だから嫁さんは実家にも行けず・・・それから、一年くらい経った頃

裁判所から財産分与の知らせが来て、嫁さんは母親が亡くなったことを

その知らせで知りました。


父親は数年前に他界してたんですが、病気がちだった母親のことだけが

嫁さんは気がかりだったみたいで、よく心配してました。


母親の死に目にも会えなかった嫁さん。

さぞかしショックだったろうと思って


「ショックだろうけど落ち込まないで気をしっかりもってね」


って言ったんですが、嫁さんは覚悟してたんですって。

いつかはそう言う時が来るって・・・。


「だからそれほどショック受けてないから心配しないでね」


って。


「◯◯ちゃんがそばにしてくれるから大丈夫だよ」


って言ってくれました。


まあ最後は嫁さんの唯一の家族は僕しかいないですからね。

だから大切に、幸せにしてやりたいんです。


嫁さんの母親のことは残念でしたけど、兄夫婦と縁が切れたことは

よかったのかもしれません。

こっちから縁を切りたかったくらいですから。

人として最低の人達と今後も付き合って行くなんてごめんですからね。

障害は極力排除したほうがいいに決まってるんです。


つづく。

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