第71話:芸達者で度胸が据わっててそしておちゃめな母親。

「ぶちゃいくじゃなかったから・・・」のエッセイに「すごいお母様」と

コメントをいただいたんですが・・・


僕でも僕の母親はすごいお母様って思います。


芸達者で度胸が据わっててそしておちゃめ。

昔、母親は教師なんかしてたせいか、間違ったことが嫌いな正義感あふれる

母親だったらしいです。


大阪に住んでいたこともあってハイカラさんだったし、文学女子で

俳句をたしなみ、詩を書き、日本舞踊の名取で、おまけに生け花の先生、

でもって習字の先生でもあり、教師を引退してからも塾の先生をしたり・・・

とにかくじっとしていない母でしたね。


NHKの朝ドラにでもなりそうなそんな母親なのです。


親父と一緒になるため、大阪から故郷の田舎に帰ってきた時、大阪で

流行りの服を着て田舎へ帰ったもんだから、近所の人たちに「アバズレ」

って罵声を浴びせられたみたいですが、でも、母親は人に後ろ指差される

ようなことはしてないって言って、外にできる時でも流行の最先端の服を

着て農道を闊歩してたそうです。


一番、すごかったのは、じいさんが土地の登記のことでいいかげんなことを

してたため、自分ちの土地が人手に渡っちゃいけないって言うんで母親が

役所に行ってちゃんと手続きしたんですが、その件で家にヤクザが5人ほど

やってきて土地を引き渡せって母親に迫ったんだそうです、


母親は毅然とした態度で、「お帰りください」って追い返そうとしたら

ヤクザの一人が「土地を渡さねえと殺すぞ、ばばあ」って怒鳴ったらしい

んですね。

そしたら母親は「殺すなら殺しなさい・・・わたしを殺したところでなにも

変わりません、それに、まだばばあじゃありません、失礼な・・・帰りなさい」

「警察を呼びますよ」って言って、ヤクザを追い返したんだって。


ヤクザが帰った後、母親はヤクザにビビってたらしく腰が抜けてたそうです。


で、僕が中学生のとき、ちょっとしたイジメに遭いまして、

そのことを母親に話したら、次の日から毎日学校に見張りに来てましたね。

授業中、どこかの女の人が教室を覗いてるんですよ。


参観日に母親が来るから、みんな母親の顔を知ってるから、おまえの母ちゃん

何やってるんだって言われて、恥ずかしいったら・・・。

息子をイジメるやつは、私が許さんってわけです。


まあ過保護ではあったと思います。


過保護だったっていう片鱗はこういうとこにも出てました。

同じく僕が中学生の時、朝、僕が起きないもんだから、母親は僕を起こしに

くると顔じゅうキスだらけにするんです・・・ぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅね・・・

思春期の僕はそれが嫌でね・・・やめろ〜って飛び起きますよね。

いくらやめろって言っても、起きないと毎日キス攻めされましたね。


はい、だから息子が、取引先にいい子がいるって母親に告げたら、そりゃ

黙ってないでしょう。

それも、適齢期を過ぎて彼女も作らずバイクにばかり夢中になってる

息子に、もしかしたら彼女ができるかもしれないチャンスが訪れた・・・そう

思ったら放っては置けなくて僕の取引先に電話したんです。


そんな母親なのでイケイケで気が強いって思うでしょ、たしかに一直線な

性格の潔癖な母親ですけど、でも僕の嫁さんには優しいんです。


嫁さんも私の自身のお母さんみたいって言ってるくらいですからね。


まあ、最初に嫁さんを家に連れて行った時、一番嫁さんを気に入ったの

母親でしたから・・・可愛い、可愛いってベタ誉めでしたよ。

だから、うちは嫁と姑の問題でトラブったことは一度もないんです。

僕の嫁さんもポジティブな性格なので母親に遠慮したりはしないですからね。


まあ、一番嫁さんのことを気に入って大事にしてくれてるのは親父ですけどね。


愛情に溢れてた母親だと感謝してます。


近況ノートに僕の小学生の時の写真が見れます。

https://kakuyomu.jp/users/amanotenshi/news/16817330665513288081


つづく。

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