宇宙人と出会って(第二章)

 リレーの練習ではレイトのクラスは隣のクラスに勝っていた。いよいよレイトの番だ。レイトはこれだけは失敗するわけにはいかないという気持ちでいっぱいだった。レイトのクラスメイトが走ってきて持っていたバトンをレイトに渡した。バトンを受け取ったレイトは猛スピードで走りだした。もう少しでゴールだ。その時、レイトは足元に落ちていた石ころにつまずいてその場で転んでしまった。レイトが地面に倒れこんでいる間に隣のクラスの生徒が追い抜いていき、ゴールしてしまった。レイトは立ち上がるが、激痛のあまり走ることができない。右足から血が出ているのだ。レイトのクラスメイトである男子生徒がレイトに近づいてきてレイトを怒鳴りつけた。

「レイト、お前何やっているんだよ!ふざけるんじゃねえよ!」

「ごめん。転んじゃって…」

レイトの言うことを何も聞かずにクラスメイトである女子たちも次々と文句を言い始めた。

「レイト君、あんなところで転ぶとか信じられない!」

「そうだよ。みんなが一丸になっているのに一人だけふざけるなんて空気読もうとすらしていないじゃん!」

「違うんだ…俺は石につまずいて…」

レイトの言うことを遮って学級委員長である男子生徒が言った。

「お前、担任の先生に言いつけておくからな!覚えておけよ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る