54 (ちょっとエッチ描写あります)
……
……横から何やら物音が聞こえる……と言っても昨日の今日だ、この正体は見当がついている……。
やれやれ、こうも毎日だと……疲れが取れない……。
ゆっくりと目を開け、物音の主に気付かれないように……小声で「覚えたての」サイレントの魔法を唱え、ちゃんと発動したのを見計らって……。
ガバッ! っとシーツを引っぺがすっ!
「ひっ、ひゃあああっっ!」
「……全く、毎日毎日……少しは自重しろっ! このケダモノがっ!」
「……や、やだ……き、聞こえてたのっ!」
その音……クチュクチュという何かやあらかく気持ちいいものをいぢる音を出していた黒髪の少女……アテナはがばっと跳ね起き、嫌味を言った白い髪の少女、アルテミスを見て、恥ずかしそうにシーツで顔を隠す。
「だ、だって……もう一週間も、しっ、シテないんだよ……あ、アルテミスだって、もう我慢が出来ないんじゃないの?」
「ワシは狼体にいる限り性欲はわかないからな」
「ず、するいっ! 私がこんなに悶々としてるのにっ!」
「知るかっ! 大体ご主人が別行動をするといった時、こうなる事は予想して然りだ。まだ年端も行かぬ小娘が……あ、あの快楽を我慢出来ないのは判るが、せめてサイレントの魔法をかけてからやれ!」
「ちゃ、ちゃんとかけてたよっ……る、ルナの方には聞こえないようにしてた筈だけど……」
そういってアテナはルナの方を見るがすやすやと眠っているようだ。
「しっ、仕方ないじゃない……まだ風魔法は覚えたてだしそこまで広範囲には……アルテミスはぐっすり寝てるようだったしてっきり聞こえてないと思ったのに……」
「白狼人族は警戒心が強く、人間の様に熟睡する事はない……しかしそこまで性欲が強いようでは、ご主人様と出会う前はどうしておったんじゃ?」
「あ、あんな気持ちいい事……自分でいぢるだけじゃ……味わえなかったし……あ、アルテミスだって、私よりずっと大きな声を出すじゃないっ!」
「そ、そんな事はないっ! ……わ、ワシじゃなく、この人間体の身体が感じやすいだけで……」
……深夜に二人の少女の不毛な言い争いが始まる。
「……嗚呼、今頃はアヤカートとネメシスも、散々えっちな事してるんだろうなあ……うまやらしいギギギギギ……そしてウェンティさんだっけ? もしかしたら清純そうな彼女にも無理やり……ウワキモノメッサツセリウワキモノメッサツセリ」
「ま、待て! 小さい小娘もいるんだ! ここで弓矢を取り出すなっ! やめろっ何だその眼球を抉り出すが如く動かすナイフのテクニックはっ! 落ち着けえええええええええええ!!」
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