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さ、色々疲労が重なってしまったがorz いよいよ本格的な探索の開始である。
ウェンティには申し訳ないが、俺は初めてとなる本格的な冒険にワクワクしていた。前の時は冒険というよりも討伐だったし、ダンジョンというかオーク共の住処にも村人の遺品を取りに行っただけだしな。
「ウェンティ、フライの魔法で遺跡の前までひとっとびと行きたいが、残念ながら何が起こるか判らないので魔力は温存したい。数時間は歩くだろうが……疲れを感じた場合は遠慮せずに言って欲しい。俺もこういう探索は初めてだし特に急ぐ探索でもないし万全に行きたい」
「わ、わたしは構わないよ。そんなに体力に自信はないけど、2、3時間くらいなら……」
「うん……それとネメシス、経験者の君にリーダーを任せたい。素人二人を連れての探索だし負担が大きいだろうが、指示に従うので宜しく頼む」
「お任せくださいませ。何度かパーティリーダーの経験もございますし、大船に乗ったつもりで、とまでは言いませんが、緊張し過ぎて身体がガチガチになるのも却って宜しくありませんわ。魔法である程度の防御は出来ますので、お二人ともリラックスして付いて来て下さいませ」
さて、出発だ。砂浜をゆっくりと歩くネメシスの後をひょこひょこと付いていくウェンティ、そしてしんがりの俺。ゆっくりと樹が生い茂る山道へと入っていく。
昨日の触手共が出て来ると思っていたが、事前にネメシスがかけていた卜ヘ口ヌゲフン! モンスター除けの呪文が効いてるのか狼や熊、それどころか鳥も虫も出て来なかった。まあこんな小さい島だしそもそも(触手以外の)動物がいるのか怪しいがな。
ネメシスが言うには本来はこのような呪文をかけなくとも早々モンスターが人前に現れる事はないそうだ。それでも単独行などしようものなら腹を空かせた狼の群れやら、草むらから集団で獲物を狙うゴブリン、不用意に森に足を踏み入れる者を襲うオークやグリズリーがいるとも限らないので、このような呪文が重要なのだそうだ。不思議とどれも聞いた事のある事例だなあ。
まあ例えば王城と、それなりの交流があるだろう隣村までの間に粘性生物や吸血蝙蝠、巨大蟻や人と思われる頭蓋骨の上に留まる大烏等が闊歩する某卜゛ラクヱ世界はどれだけ世紀末なのだ、とは思うがな。
ウェンティの体力を考え休み休み進んでいたが、そうこうしている内に視界が開け、
「うん……ここっ、ここだよ!」
ウェンティのハイテンションな声と共に、どう見ても人工物と思われる遺跡……何らかの宗教の神殿らしき物が現れた。
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