『誇らしい女』

何故だろう



今夜は急にただ死にたくなった



どう考えてもまだ死にたくはない筈で



自らは絶対に死ねないことも判っているのに



死にたくてたまらない





理由は沢山ありそうでいて皆目見当がつかないし



この感情に説明もつかない




常に自分の全てを把握しているつもりの私なのに



今夜のこの感情的な馬鹿さ加減は



何だか女体の神秘みたいで



私は少し誇らしかった





昔の彼に深くつけられた傷と極上の快感を思い出しては



少し微笑んだりして



さっきまでの死にたさも判らなくなる始末



感覚的すぎる自分の女っぽさが誇らしかったんだ



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