第74話 病院で


「折れてはないですけど、腫れが酷いですね、」


俺と唯さんは俺の右足のレントゲンを撮ったあと病院の先生の話を聞いていた


「なるほど、それでどうしたら早く治りますか?」


唯さんが病院の先生に質問する


「そうですね、ここまで腫れているとすぐにというのは無理ですね、とりあえず右足を使わないようにして、湿布を貼って2週間ほど様子を見ましょう」


2週間というとちょうど文化祭の日ぐらいだ

自由に回れないと思うと少し残念だった


「そう、ですか、ありがとうございます」  


唯さんも少し落ち込んでいるようだった


それから少し経ち松葉杖と湿布を受け取り病院の外に出た


「よいしよっ」


一旦松葉杖を唯さんに持っていてもらい、右足を使わないようにして車に乗り込む

今まで当たり前のようにやっていたことが足一本使えないだけでここまで大変になるのかと思った



「大丈夫ぶ?気持ち悪かったりしない?どこか泊まろうか?」


信号で車が止まるたびに唯さんは俺に聞いてくる


「大丈夫ですよ、折れてなかったですし」


運転中の唯さんからは見えないかもしれないが

助手席で軽くガッツポーズをしてアピールする


「折れてなかったから良かったよね、不幸中の幸いかも、」


俺の発言を聞いてなのか折れてなかったことを喜ぼうとするように声色が少し元気になる


「まぁそんなことより、雑談でもしましょうよ」


俺はこういう暗い雰囲気が好きではないので場の空気を変えることを提案した


「そうだよね、雑談しようか」


唯さんも俺の思いに気づいてくれたのかそこからは雑談をした



「やっぱりあのキャラかっこいいですよね」


「そうなんだよ!やっぱり純平くんはわかってくれるよね」


「はい、俺もあのキャラ好きですよ」


「だよね、だよね、私も」


そこからは足の話なんて忘れて唯さんに勧められて読んだ漫画の話に花が咲いた


家に着いたのでアパートの駐車場に車を止めて家に帰る

階段は当たり前に無理だったのでエレベーターを使った


唯さんが家のドアを開けた

中から優愛が出てきた

ずっと心配してくれていたのだろう、唯さんがドアを開けてすぐに来たので少し息があがっているし、目に少し涙が溜まっている


「ありがとう」


優愛が俺のことを心配してくれた気持ちを汲み取り感謝をした

優愛はなぜか俺に抱きついて来た

1、2分ほどそうしていただろうか、そろそろ家の中に入ろうということになり、中に入った

待っていてくれた芽依さんと麻衣さんに状態を話すと2人共折れてなくて良かったということだった

何回行ってもやっぱり病院というものは苦手で早く行ってこれたのでまずは一段落だろうか

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