第61話 文化祭の話


昼休みが終わり5時間目になる

この授業では文化祭のことを決めるらしい


「それじゃあ文化祭実行委員の二人、前にお願いします」


先生に呼ばれたので前に出る


「それじゃあ二人から案をお願いします」


俺たちが横に並ぶとそれだけでクラスの空気が少しピリつく

(みんなごめん、俺たち仲直りしたから)

ということを心で思っておく


「はい、俺たち実行委員ではパン屋がいいのではないかという話になりました、理由は危ないものではなく、近くのパン屋さんから買ってきてそれを売るというものなので準備もあまり必要ありません、なので実行委員ではこの意見にしました」


この案を決めたとき優愛はいなかった

だけどここで仲間ハズレのような発言をすると良くない雰囲気になってしまう

なので優愛と一緒に決めたような発言にしておく


「なるほど、パン屋さんいいですね」


少し離れたところで先生が発言した


「他に意見がある人はいますか?」


クラスではまぁいいんじゃない?といったような空気が漂っている

(このまますんなり決まってほしいな)


「は~い、うちもこれでいいと思うんだけどさ、なんか足りなくない?」


クラスの中心の女子がそう発言した


その発言を皮切りにクラスでは

「たしかに、」

「あんまりパットしないよね」

などの友達同士、小声での発言が増えた


「それじゃあさこれになにか付け足そうよ」


意外にもそう発言したのは優愛だった


「その何かで意見がある人はいる?」


優愛がクラスに聞く

優愛が発言したことであのピリつきはなくなった

多分みんな俺たちが仲直りをしたことに気づいたのだろう

(ありがとうみんな)


「なら喫茶店にでもしようよ」


サッカー部の陽キャ、上崎が発言した


「いいねそれ、」

「さすが上崎」


どうなるか分からなかったが上崎のお陰で決まりそうだ


「それじゃあ実行委員の二人はこの内容を紙に書いて文化祭係の先生までお願いします」


5時間目が終わり

6時間目は普通の授業だったので何事もなく終わった、強いていうなら何故か隣から視線を感じたことだろうか、


そんなこんなで放課後になったので文化祭の紙を記入し担当の先生に持っていくことにした、もちろん二人で



優愛が紙に記入してくれた

やっぱりこういうのは字がきれいな人がいいね

紙を持って職員室前まで来た

やっぱりこの瞬間は何回やっても緊張してしまう

俺が緊張しているのが伝わったのか、優愛が俺の手を握って大丈夫と言ってくれた

まだ少し辛いけど本当のことを話してくれた優愛を信じようと思う

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