第26話 休み最終日(2)
麻衣さんの運転でこの街の1番有名な家具屋に来た
cmなどでよく宣伝しているところ
田舎だとあまりお店がないので比較的近くに大きい店舗が一つでもあると助かる
お店の中に入ると平日なのに意外と人がいた
前に一人暮らしに必要なものを買いに来て以来なので必要のないものでも色々見てしまう
棚やタンス、ライトなど色々なものがある
見たいが時間がないので多分見れないだろう
唯さんに腕を引かれて寝具コーナーに向かう
「色々あるねー」
「そうですね」
まさか高校生の内に年上のお姉さんとベットを選びに来るとは思わなかった
こんなこと一週間前の自分に言っても信じないだろう、俺はこんなに唯さんに頼ってばっかりで良いのだろうか、なんてこんなこと考えてたら唯さんに怒られるかもしれないので考えることをやめる
「お母さん、どれが良いと思う?」
「使うのは唯と純平くんなんだから二人で決めたら?」
「確かにそうだね、純平くんどれがいい?」
「俺的にはシンプルなやつがいいかと」
「じゃあこれなんてどう?」
そう言い唯さんが示したものはシンプルだけど質素ではないまさに俺が考えていたようなものだった
「おぉ~いいですねこれ」
「だよね、じゃあこれにしよう」
「サイズはどうするの?」
そう麻衣さんが尋ねてきた
確かにサイズは考えてなかった
「ダブルでいいんじゃない?」
そう唯さんが答えた
確かに大きすぎると邪魔になってしまうしちょうどいいと思った
「いいと思います」
サイズを選んだ
ものが大きいので店員さんを呼んだ
対応してもらいお会計になる
値段を見て少しびっくりした
何故か麻衣さんが払ってくれた
同棲祝ということらしい
荷物を車に乗せて家に向かう
車の中では唯さんや麻衣さんと話したがあまり知らない人の車の中では緊張してしまいどんな内容を話したのかあまり覚えていない
家に帰ってベットを組み立てた
手伝えるところは手伝ったけどそれでも結構時間がかかった
気がつくと午後4時をまわっていた
「唯、私そろそろ帰るね」
「そう?もう少しゆっくりしていけばいいのに」
「そんな、若い二人の邪魔したくないからね」
「そっか、気をつけてね」
「うん、純平くんもまたね」
「はっ、はいまた今度」
「ベットが大きくなったからってあんまり羽目を外しすぎないようにね」
「わかってるよ」
「‥‥‥」
「あっ、純平くんそういうのまだだった?」
「は、はい」
「そっかごめんね」
麻衣さんはそう言うと俺の頭をポンポンと撫でて帰ってしまった
嵐のような人だったけど悪い人ではなくてよかった
麻衣さんが帰ってすぐは唯さんと他愛もない話をしたが、1時間ほどすると唯さんの口調が真面目なものになった
「純平くん、今日はごめんね急に付き合ってることにしちゃって」
「全然大丈夫です、むしろ俺のほうが迷惑かけてるので唯さんもどんどん迷惑かけてくだい」
「そう?なら無理なお願いしていい?」
「もちろん、自分にできることなら」
「明日からも一緒に住んでくれませんか?」
俺が話す間もなく唯さんが理由を説明する
「えっと、お母さんの前だと恋人のふりしなきゃいけないし、ほら、いつ来るかわからないから、、、だからどう?」
唯さんが焦りながら俺にそう聞いてくる
「もちろん大丈夫です、これ言ったら引かれちゃうかもしれないんですけど、その、また一人で暮らすの少し寂しくて、」
俺がそう言うと引かれると思っていたのだが反対に唯さんが笑顔になった
「よかったーその、さっきの理由建前って言うか私も一人で暮らすの寂しくて、だから純平くんも同じ気持ちで良かった」
「同じですね、」
「うん」
唯さんがそう言い赤くなるとご飯の準備しなきゃと言って部屋を出てしまった
いつもよりご飯の時間が少し早かった
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