かれ(眩暈)

私はかれに訊きたいことがある

かれが公園のふちを歩きまわっているとき

そのゆびさきが摘まんでいるものはなんなのか


わからないパンフレットのような

残像みたいなかおり 固着する映像とパステルカラー

なんどもゆれる肩 吐き気がする距離

正直な南西の風をつかまえて二次元に落としこむ


かれはいま 途方もないちかくからちかくへと遠投をおえたところ

ひらひらと舞うイエローやら水色やらの柄の紙?


ああ 階段をたよりなく零れるように誓いへと降りていく私はランプに灯をともし

夜の街へでる 霧もない視界ゼロのかなたへと手を

のばしながら


ほら かれが歌をうたいはじめた!

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