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えでぃ

聖女レイセ・ファンカレ編

この世界は『聖女レイセ・ファンカレ』が誕生したことにより進み始めた。


レイセは1歳の時に神社の前に捨てられていた捨て子として、孤児院で育てられることとなる。


その時に神社の前に捨てられていたということで『宮之前 鈴仙』みやのまえ れいせんと名付けられすくすくと育つこととなる。




『宮之前 鈴仙』が15歳になろうとしたときにある奇病がはやることとなった。


それは、手足が肘や膝から順番に黒くなっていきつま先まで黒くなると死に至ることから、四肢が黒くなる病気『四黒病』しょこくびょうや死に至る時を黒く刻む『刻死病』と呼ばれることとなる。




この病気を患った絶望する患者の世話を行い治療法を模索していた『宮之前 鈴仙』は、毎日お祈りをすることにより四肢が染まっても生き残るものが出たことによりこの病気が神の信仰が足りないことにより与えられた試練だと思うようになる。




この病気の恐ろしいところは、接触感染だったということで、もちろん看病を行っていた『宮之前 鈴仙』も感染してしまう。


ただ幸運だったのは『宮之前 鈴仙』は誰よりも信仰心があったということだろう。


そのおかげで、四肢が染まりきった後も、今まで通り、いや今まで以上に患者の治療という名の信仰心を高めるための説教を精力的に行った。それは患者だけではなく、その家族さらにはその地域全体に信仰心を広めることとなった。




ただ、この地域を収める帝国からは敵視されることとなる。


それは、信仰心により動員される総兵力なのか、『四黒病』と呼ばれる未知の病気に対する恐怖なのか定かではないが、『宮之前 鈴仙』は国外退去を命じられることとなる。




この時『宮之前 鈴仙』が17歳になったばかりで、『四黒病』により四肢が黒く染まった者だけではなく『宮之前 鈴仙』の教えにすがった者たちまでついてくることなったその数は街に過ごしていた半数とかなり多く、その数に脅威を覚えた街の権力者『先見の麦蔵』は『宮之前 鈴仙』との協定を破り迎撃の軍を差し向けることとなる。




このことを知った『宮之前 鈴仙』はある演説を行った。




『私たちは神に信仰心を認められた唯一の民となったのです。そのことに嫉妬を覚えた卑しい人間もどきたちは、私たちに攻撃をしてこようとしています。戦いなさい。この世界で生きるだけの獣たちが、私たち選ばれた人間に勝てる道理はありません』




この時、新天地へと放浪して1年経過していた。その間『四黒病』はすべての流民に感染し、みんなが選ばれし民へと変貌していた。




『これより古い名前は捨てます。神より与えられし名前をすべての者が享受するのです』




『聖女レイセ・ファンカレ』がここに誕生した。


そして、この地は永遠の聖地として守られ、永年巡礼者が後の絶たない地へとなる。




その後の彼女は15歳の姿のまま115歳を迎えることとなる。


100年続いている帝国との戦争を見続けた聖女は戦いが終わる前に息を引き取ることとなる。




聖女の死は、両国に和平をもたらすと同時に、両国共通の敵を迎えることとなる。


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