【短編】女勇者は「個人事業主」だから確定申告しなさい!?
書記係K君
1.女勇者は「シサンフリカエ」を唱えた。「旅費交通費」が現れた!
◆冒険者労働組合『ギルド』の相談窓口――
の
して頂いて結構です。ただし――」
女勇者「ただし?」
相談係「購入時は『貯蔵品費』に資産計上して下さい」
女僧侶「チョゾウ……ヒン……?」
相談係「そして、
下さい」
女勇者「リョヒ……コウツウヒ……?」
女僧侶「フリカエ……?」
どうも初めまして。私は「女勇者」タカコと申します。
私と同じタイミングで「異世界転移」してきた人達もたくさんいたのですが、その中でも私は、百年に一人という超レア職業「女勇者」に選ばれちゃいまして、次々と開花される
そんな私を最も苦しめたのは、「魔王」でも「ドラゴン」でもなく――
――「確定申告」でした!?
◇◆◇◆◇◆◇
◆冒険者労働組合『ギルド』の
女勇者「むきー、なんで
女僧侶「困りましたね~、誰かに相談できると良いのですが……」
女勇者「うーむ。……あ、ちょうど良いところに
女僧侶「わ~本当ですか、きっと
早速、声をかけて来ま――」
女勇者「うりゃ~
女僧侶「うぁ~
女勇者「にししっ、やだなー
男商人「いや
女勇者「ねぇねぇ、それより確か
男商人「だったら何だよ。と言うか俺の背中から降りろ」
女僧侶「あの、実は
男商人「俺に? まあ、俺がわかる事なら教えるけど――」
女勇者「フリカエれば、
男商人「お前、
女僧侶「――と言われました」
男商人「……。ギルドの
異世界なのに、
女勇者「本当だよね、
男商人「
処理に関しては、
女僧侶「え、どうしてですか?」
男商人「例えば、日本でICカード「Suic●」に現金をチャージした場合
だけどさ。その電子マネーが、実際に電車の乗車賃に使われるのか、
自販機のジュース代に使われるのか、購入時には分からないだろ?」
女勇者「まぁ、うん。そうですね」
男商人「この様に業務上必要となる備品・道具などでも、使われていない状態
で一時的に貯蔵するものは「貯蔵品」と言って、購入時は「貯蔵品費」
に計上するんだよ。で、この時点では経費に算入できない」
女勇者「えぇ~、どうして?」
女僧侶「ひょっとして、
男商人「さすが
初めて「旅費交通費」と見なされて、経費に算入できるんだ。ちなみ
に、この時に「業務のため」であることを証明できるように領収書や
といった目的など)を書き残しておくと確定申告が楽になるぞ?
他には「切手代」とかも、購入時は「貯蔵品費」に計上されて実際に
使用してから「通信費」に費目を振り替えることになるね」
女僧侶「なるほど、勉強になりました~」
女勇者「うぅ~経費って意味わかんない! せっかく異世界に来たのになぁ…
…こんなのってないよ」
男商人「奇跡も魔法も、税金もあるんだよ?」
女勇者「混ぜちゃダメだよぉ!」
<次回につづく!!>
ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー◆ー
※おまけ:
「女勇者」タカコ
→女の子。17歳。
超レア職業「女勇者」に
片想い中。現在はまったりと異世界
「男商人」ユウジ
→おじさん。35歳。数年前に異世界転移してきた
ドラゴンを倒したこともある
の世話係(金融教育担当)も務める。経理から雑学までいろいろ知ってる。
「女僧侶」ヒトミ
→女の子。20歳。
秋田県の農家出身。のんびり屋だけどしっかり者。
腹ペコちゃん。異世界で最初に出逢った
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