アカウント登録スキルを運用してレベルアップ〜ハンターを首になり無職になってからオンラインゲームにハマり3年後に世界が破滅、しかし3年前に回帰したがなぜかオンラインゲームで習得したスキルを習得!?~

MIZAWA

第1話 世界の終わりと1人の始まり

 今でも覚えている、俺はこの世界を呪ったものだ。

 この世界はレーベントと呼ばれる世界。

 この世界に生まれてきた人間は18歳の誕生日の時に決まって覚醒する。

 18歳の誕生日にハンター本部にてスキルを鑑定するのがこの世界の決まりのようなものだった。


 俺も1人のハンターを夢見る青年として覚醒し【アカウント登録】という意味不明なスキルを授かった。

 

 このスキルを使用しようとすると。


【現在では使用不可能です】


 というとんでもない神の声が降りるわけで、俺は必死で何度も使用したら。


【現在では使用不可能です】

【現在では使用不可能です】

【現在では使用不可能です】

【現在では使用不可能です】

【現在では使用不可能です】


 という結果に終わり、発狂したものだ。

 現在の俺は20歳になろうとしている。

 今までどうやって生活してきたかって?

 ダンジョン攻略するハンター達の荷物運び、または素材収集仕事。

 

 下の下の下の仕事ばかり。

 俺が夢見たハンターってこんな悲しい物なのか。

 人生に悲観していたが、結構貯金もたまってきて、遊んで暮らせるだけの額。


 それは毎日、すこしずつ貯金してきたからというもの。


「うぉおりゃああああああ」


 この日は、珍しく有名ハンターダニエルさんの仕事の依頼だった。

 基本的に荷物運びまたは素材運びだが。


「うおおおおおおおお」

 

 ダニエルさんの咆哮があがり、ゴーストナイトクラスのモンスターが消滅していく。

 ダニエルさんの回りには3名の女性冒険者がいる。

 彼女達はダニエルさんに媚びを売るような事をしているようで、いやらしい目つきをしていた。


 ダニエルさんはこちらにゆっくりと歩いてくると。


「君、いい仕事してるじゃないか、こっちのモンスターの素材もよろしくな」


「はい、ダニエルさん」


 ダニエルさんハンターパーティーとダンジョンの奥深くに入り込んでいく。

 ここは大きな洞窟タイプだった。

 ダンジョンとはレーベントの世界が存在していた時からあちこちに出現する丸い入り口の事だ。


 その先には無数のダンジョンがあり、色々なダンジョンが確認されており、一番難しいとされるのがオープンワールド型。一番簡単が洞窟型とされている。

 あみだくじ型なんてのもあるらしい。


「あれ、これはなんだ?」


 沢山の御札が張られてあった。

 バリケードみたいな物が設置され【ここから先は極秘事項により進入禁止】と書かれていた。


 ごくたまに危険すぎるダンジョンの中だった場合、先に攻略した人がこういうものを設置する。


「ダニエルさん戻りましょう」


「いやーこれはお宝の匂いがするねぇ」


「ダニエルさん、危険です」


「ハニー達、俺様のカッコいい姿を見て見ないかい?」


「「「きゃー」」」


 俺は頭を押さえながら。


「さて荷物運び君、そこのバリケードを破壊したまえ」


「それは出来ませんが」


「ならここから1人で上まで戻るのかい?」


「ぐ」


 実質上不可能。俺の戦闘技術は下の下の下のなのだから。

 パンチでスライム級を倒せるぐらいだ。

 俺はその後バリケードをどかし、ダニエルさんとさらなる地下へと向かった。

 巨大な広間に出た時、ダニエルさんは有名ハンターらしくなく堂々と歩いていた。

 その時だ。巨大な蜘蛛が天井から落ちてきた。

 それも1匹なんて所じゃない50匹ぐらいだった。

 ダニエルさんは悲鳴をあげて逃げようとする。

 その時だった。俺の肩を掴み、俺を後ろに投げたダニエルさん。


 ダニエルさんはにこにこしながら3人のハニー達と逃げて行く。

 俺の周囲には巨大蜘蛛がいて。


「あ、これ死んだ」


 脳裏に死がよぎる。

 意識を失ったようだ。

 目が覚めるとどこかの建物の中にいた。

 死後の世界はどこぞの建物の中なのだろうか?


 こつこつこつとハイヒールでコンクリート製の床を叩くように歩いてくる音が聞こえる。

 ドアがゆっくりと開き、そこから1人の女性が現れる。黒いスカートの形をしたスーツを着用しており、眼鏡をくいっと上げてこちらを見た。


 きっと眼鏡をはずすと絶世の美女になるんじゃないかと俺は思わった。

 彼女は椅子に座るとこちらを見た。


「ルガーティと申します。数か月前にハンター総合窓口に配属されました。今回フレンさんはハンター規約を破った事により首を宣言されております」


「は、どういう事ですか」


「ダニエルさん達のパーティーの荷物運びをしていたそうで、あなたはもっと金が欲しいから無理矢理、バリケードを破壊して進んだそうですね、運よくS級のハンターが来て、ダニエルさんはあなたの事を助けてくれと頼み、気絶して殺される寸前のあなたをS級ハンターが救いました。というのはきっと嘘なのでしょう」


「は?」


「普通に考えて、E級ハンターのあなたがお金が欲しいからといって超危険な所に1人で行くのはありえませんわ、しかしダニエルさんは有名なS級ハンターです。ハンター本部はダニエルさんを罰しない方向でいきます。なのでE級ハンターのあなたが首という形です。今回の件は特例として膨大な退職金が出ます。この額でどうでしょうか」


 一枚の小切手に書かれた数字。

 それは100年遊んで暮らせるだけの額だった。

 俺の人生は本当に下の下の下だ。

 夢だった覚醒で得たスキルは使用できない謎スキル。

 ハンター本部の人に何度も聞いても謎スキルまたは外れスキルと言われてきた。

 それでも夢を諦めきれなかった。

 

 荷物運びをして素材収集をして、モンスターから素材をはぎとって、鉱石の山から採掘して、薬草などを採集して、ありとあらゆる努力をしてきた。

 だがこの日。


 俺の人生は終わった。


「はい、この額でいいです」


「では、サインをお願いします」


 手が震えていた。

 ゆっくりとサインした……


====3年後====


 その日は俺の誕生日、23歳になった。5年前の18歳の時、俺は世界の決まりのように覚醒した。【アカウント登録】という謎スキルを得た。20才の時にダニエルの馬鹿野郎に嵌められてハンターを首、ありえない退職金を習得。


 そして今。


「ふ、ついに英雄になってしまった」


 俺はこじらせ、さらにこじらせて中二病になった訳ではない。


「レベル100Max、誰にも俺に勝てないぜ」


 俺が夢中になってるのは、どこにでもあるオンラインゲームだった。

 パソコンの数10台。

 アカウントの数100人を超える。

 課金額1億円を超える。

 ゲーム世界で100人以上の自分達の自動化仕事を配分させる。

 素材収集するもの釣りをするものモンスター狩をするものお店で商売するもの訓練をするもの戦争をしかけるもの盗賊行為をするものプレイヤーキルをするもの低レベルの支援をするもの、すべて10台のパソコンですませる。


 オンラインゲームのMMORPGのプロフェッショナルがそこにいた。

 最高レベル100Maxに到達し、英雄戦争で生き残った者が英雄とされる。

 かくして俺ことフレンはオンラインゲームの英雄となった。

 ???????の使用権限とスキル【回帰】を貰った。


 だがずっと???????であった。

 きっとこれが最強だと思っていたんだが。

 てか回帰スキルって何に使うんだ?


 その時だった巨大な爆発する音が轟いた。

 空が真っ赤にそまり、巨大な衝撃波が建物を破壊していく。

 俺はにこりと微笑んだ。

 どこかでこの世界が終わってくれるのを望んでいたのかもしれない。

 にこりと笑い続け。パソコン10台が吹き飛び、次に俺の体も吹き飛ぶはずだったのだが。


【自動的に回帰スキルを発動します】


「は? てか回帰って昔に戻るてきなやつか?」


 俺が大きな声を上げると、次の瞬間には全ての空間がひずみ、ぐにゃりとひんまがり、気づけば、いつものマンションの自宅の部屋で歯磨きをしていた。


「あれ? どゆこと?」


 洗面台に置かれていた時計には日付が表示されており、それはまぎれもなく3年前の20歳の時だった。そして今日、俺はハンターを首になる予定なんだ!



 

 

 

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