「ひろしの冒険」エクストリームバージョン
改淀川大新(旧筆名: 淀川 大 )
まえがき
拙作「ひろしの七罪」、「ひろしの怒り」、「ひろしの呪い」に好評をいただいたので、またまた本作を執筆することとした。お読みいただいた皆様には、心からの感謝を申し上げたい。
さて、本作はいわゆるファンタジーのジャンルに当たるが、これも筆者にとって初挑戦のジャンルであり、新たな挑戦となる。
ただ、今回は筆者の前には
なので、まずは各小説投稿サイトのファンタジー部門を覗いてみた。
なんじゃ、こりゃ。
世代的にどうしてもジーパン刑事になってしまうが、そこには三行以上に至る長さの題名が並んでいるではないか。長い物になると八行もある。さては、これが噂に聞く「Web小説界の悪しき潮流」か……。
この「ファンタジー」というジャンルは、一昔前ならばSFに含まれていたのだろうが、今では立派に独立したジャンルとなっており、しかも異世界とも区別されていて、ますますその特色を顕著としている。という事はつまり、パターンが確立しつつあるとも言え、その典型例が「テンプレ」物と言われる体裁の小説だろう。それ故に、個々の作品の特色を際立たせる事が難しい。どれも、どうしても類似の作品となってしまいかねないので、添えるアピール文自体も似通ってしまう。そうなると題名で勝負して他の作品との差別化を図り、読者の選択を誘うしかないのだが、そこで用いられる方法というのが文章体の長い題名というわけだ。なるほど。しかし、それは間違った方法であると思う。
長い題名は読みにくいし、長すぎると覚えられないので、読者の頭の中に残らないし、結局、次にもう一回読んでみようということはなく、Web小説から書籍化されてもWeb読者からもう一度手に取ってもらえることは少ないと思うからである。まして、出版社側のプロモートが終わった後に、つまり何年も後にもう一度読んでみようという事が読者に起こるのだろうか。もちろん、内容を覚えていて、その作品を探すという読者はいるだろう。しかし、その作業をさせてしまうことは少し不親切ではないか。ともかく、読者の脳内にインデックスとして題名が残らないのであれば、いずれ忘れ去られ、やがて文芸の歴史からも消える。それでいいのであろうか。そもそも、長い題名を書くとほぼ書きなぐりの要約文のようなものだから、書いている側つまり作者も何を書いたか覚えていないのではないか。少なくとも私はそうである。これを書いている時点で本作(のエッセンスバージョンとしてコンテスト用に削って投稿した長文題名の作品「ひろしの冒険(略)」)が正確に何という題名であったか、まったく覚えていない。ということは、物語のテーマも記憶に留まっていない。そういった状況だ。他の作者の方からは反論もあろうが、私はそうなのである。まったく記憶にない状況で、誰が主人公でどんな事を読者に伝えたいのかという事も忘れた状況で書くしかない。そうする。これぞ正にファンタジーであると思う。
それでは、淀川ワールドのファンタジーをお楽しみください。
二〇二三年一月某日
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます