誰が文か(感想)

・概要

馴染めない大学生活に辟易していた大学生和久井は密かに由香里との文通を楽しみにしていた。

しかしある日の手紙に自分しか知らないことを書かれており、相手は自分のことを知っていると疑惑を持つ。

現在親交のある3人の女性に目を付けて由香里の正体を暴こうとするが……。


・感想

周りにいる女性がヤベー奴ばかりだと思ってたら主人公が一番ぶっ飛んでた。なんなら第一印象の悪かった雨野(3人の内の女性の1人。読書家)が一番常識人だった。


私はこういう女性キャラクターの偏愛とか狂った部分が好きなんですが、この漫画はそれを詰め込んだ作品ですね。

最初は由香里の正体を暴くために近づいたのに彼女たちの人となりを知ると気になってしまい、一時は目的を忘れて彼女たちと楽しい時間を過ごしていました。

しかし後に邪な目的で彼女たちに近付いたことを悔やんで自分から楽しい時間を終わらせようとしましたが、それが彼女たちを狂わせていき物語がサスペンスになっていきます。


よくこういう作品を読むと「もっと幸せになれなかったのか」と思うときがありますが、多分幸せな日常が続いたらそれはもう違う作品で、こんな切なさを味わうことができないんですよね。

あり得たかもしれない幸せな結末に至らず、美しい不幸を描くからきっとその作品に惹かれると思います。ただハッピーエンドがダメとかじゃなくて、相応しい結末を迎えた作品こそ至高だと私は言いたいです。


Web漫画ではありますが、久しぶりに良い作品に出会えました。では。

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