(二)-18
そうしてやってきたところが観覧車だった。かなり大きい観覧車で、約八分で一周するという。
カゴに乗り込んだ二人は、グングン上昇していく景色に驚きの声を上げた。地上を歩いていては見られない景色がそこにあった。絶叫したパイレーツやコーヒーカップ、そしてジェットコースターの高さをも超えてしまった。
すると高野が「見て見て」と園子の肩を叩いた。高野が窓の外を指さしていた。その先には富士山が見えた。
その富士山の姿を見て、園子はすっかり感慨にふけってしまった。隣に高野がいるにもかかわらず。そしてこの観覧車のカゴの中には二人しかいないにもかかわらず。
(続く)
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