(二)-3

 園子は少し考えた。遊園地の情報はインターネットですぐに調べることができるから、正直そんな面倒なことは嫌だった。しかし、クラス委員としての仕事もきちんとやりとげたかった。なによりクラスメートたちとの最後のお別れ会だから、大切にしたかった。だからOKすることにした。

 そして下見の日の朝、園子は駅に向かった。約束の時間の九時になる五分前に到着したら、高野はすでに待っていた。そして手を振って園子に自分の位置を教えてくれた。

 二人が合流すると、高野は「さ。行こう」と園子の手をとり、さっそく改札へと向かった。

 園子は少し慌ててICカードを小さな背負のバッグから取り出して、高野の手に引かれながら自動改札機を抜けてホームへと向かった。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る