Key Fantasia

たまごろう

空白 物語の外

プロローグ 本の部屋

 チクタク、チクタク、秒針の音。

薄暗い部屋で、少年は一人で本探す。

その部屋は異様だった。入口はなく、壁は全て本棚。

 そして一人の少年。無言で本を探す。自分を満足させる本を。

少年の前には壁一面の本の背表紙、もちろん背後にも。

人差し指で並ぶ背表紙をなぞる、そして1冊の本を手に取る。

懐かしいような初めて見る本を。


『key fantasia』


 題名はシンプル、しかしどこか惹かれる。

少年は本を取り、部屋にある机へと運ぶ。

そして一人、本を読み始める。物語は始まる。

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