第32話 真夜中のコーヒータイム・・・その12
悲しいのは、あの人の死ではなく
あの人の生きていた時間を思い起こす時間の中にいる時なのかもしれない。
なぜなら
あの人が、何年何月何日何時何分に亡くなったと知らされた時に思ったの
あの人は、自分がいつ死ぬのかを知らずに
未来への想いを抱いて生きていたんだって。
そして、それを想うあたしは、未来を知らずに生きていたあの頃、あの時、あの瞬間
そのすべてが決して無駄な事ではなかったんだって
信じようとしている自分の感情が一番悲しかった。
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