96、影倉カグヤという人物
「カグヤはこの中に
そう言って、グレンは家の中に
家の中に入り、俺達はすぐに
いや、ある
きっと、この扉の
グレンが、扉の隣にある
「……入ってくれ」
「……………………」
「……………………っ」
グレンに
扉が開いたその
僅かに、疑問が脳裏を
グレンが扉を
その手前にはベビーベッドがあり、小さな
とりあえず、俺は彼女に
「……貴女が、影倉カグヤさんですね?」
「そう、私が影倉カグヤで間違いないわ。
「はい、俺が遠藤クロノです」
俺が名乗り返すと、今度は俺の背後に
カグヤの笑みが、更に
「貴女が、私の妹かしら?」
「……は、はい。クロノ君からはユキと呼ばれています」
「そう、ユキ。とても良い
そう言って、カグヤはユキを
傍に来たユキを、カグヤはそっと優しく
ユキも、そんな彼女を恐る恐るとだが抱きしめ返す。その光景は、まさしく姉妹のようで、中々に微笑ましい。
姉妹愛や家族愛とは、こういう物なのだろう。そう思わせるだけの光景だ。
「ふふっ、ずっと
「……お、
「貴女の事を
「…………っ」
ユキの目元から、一筋の涙が
そんなユキを、カグヤは優しく抱きしめながら頭を
・・・ ・・・ ・・・
しばらく
恐らく、子供のように泣きじゃくっていた自分が恥ずかしくなったのだろう。まあその気持ちは分からないでもない。だから、俺は
「……え、えっと。もう大丈夫だから、
「……うーん、
「え?」
とても良い、満面の笑みで……
そして、そんな笑顔のまま俺に視線を
「嫌よ、貴女は私の
「え?え?……ええっ‼」
ユキが
グレンの方を見る。グレンは
なら、俺もそれに
「では、お
「いーや、私の大事な妹だもの。貴方なんかにはやれないわ」
「どうか!どうか
「……ふふっ、嫌よ。この
カグヤは何だかとても
即ち、妹の彼氏(仮)と妹の
うん、まあ彼女が楽しそうで何よりなんだろう。ただ、ユキが絶賛混乱中ではあったのだが。
「あ……あうあうっ、あうあうあ~」
そんな俺達を、グレンが生暖かい
……うん、
本当に、ごめんなさい……
・・・ ・・・ ・・・
その後、俺とカグヤは揃ってユキに
「……いや、まあごめん。ユキ」
「ふふっ、ごめんなさいね?私もこうしてはしゃいでみたかったのよ」
「……………………っ」
俺達の
まあ、それは言わぬが
「本当にごめんなさいね?貴女の大事な
「……どうして、お姉ちゃんはそんな事を?」
「これが、私の
「……………………」
それを聞いて、ユキは
というより、声にならない声を上げて顔を真っ赤に
顔を真っ赤に染めて俯いているけど、別に
……これは、もしや
まあ良い。俺はカグヤの方に向き
「それで?カグヤさんから見て俺はユキの
「ふふっ、私が
「いえ全く」
いや、まあそうだけどな?別に姉の
ユキを諦める事ではない。彼女の家族に
そんな俺の
「もちろん、
「…………それは」
「大丈夫よ、実際にこの目で見て
「っ!?」
思わず息を呑んだ俺に対し、カグヤは静かにほほ笑んだ。
それは、とてもとても
「ユキの事をよろしくね?小さなナイトさん」
その言葉に、俺の中で何かが
そんな俺の手を、ユキがそっと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます