55、蹂躙された街で
あれから一晩明けて、現在午後2時を
いや、明らかにユキの
「ユキ、何かあったのか?」
「……ううん、何でもないよ」
と、先ほどからずっと上の空のまま
さて、どうしたものだろうか?
ユキの悩みは恐らく、ユキの
もし、ユキが正体を知られたと知ったら。恐らくは……
今の彼女の精神状態から考えれば、容易にその
―――そっとしておいてやるべきなのだろうけど。俺は、
「なあ、ユキ」
「……うん、何?」
「もし、何か
その先を言おうとして、気付いた。ユキがもう
そんな彼女を見て、俺は息が
果たして、俺は彼女に何が出来るのだろうか?俺は、ユキに何がしてやれる?どうすればユキは
分かる気がしなかった……
そんな時―――
「こらーーーっ‼‼」
「!?」
「!?」
突然、背後から
一体何だ?そう思っていると、エリカがユキを
「クロノ君、私たちのユキをいじめたらいけないんだよ‼」
「は、はぁ……そうなのか?俺、ユキをいじめていたのか?」
「え?私、皆のモノだったの?」
俺とユキの
いや、いろいろと付いていけない。そんな俺達を、ツルギは
本当に、何だこれは?
「とにかく、ユキさんを
「とにかく、ユキを
そう、二人が同時に言い放った。もう、訳が分からない。
分からないけど……
「ぷっ、あはははははははははははははっ‼」
ユキが、いかにもおかしそうに
まあ、ユキが
・・・ ・・・ ・・・
旧神奈川県―――
かつて、江ノ島電鉄の走っていたその場所でツチグモとオロチは
「で、だ……
「何故、とは?」
とぼけるツチグモに、オロチは牙を
「とぼけるなっ!母がアレを知れば、
オロチのその言葉に、
いや、実際にツチグモは呆れていた。呆れた
呆れと
「お前も所詮はその
「何だと……?」
まるで、先の展開を遠くまで
ツチグモは、オロチに
「考えてもみろ、母は何も知らない。
「…………うむ」
「それに、本当にそれで母は救われるのか?何も
そう、答えは否だ。
「そもそも、だ。何れ母が自力で
「……………………」
では、どうすれば白川ユキは本当に
しかし、少なくともツチグモにはそれが
果たして、このままツチグモの言うがまま
「俺は、そんな
実際、オロチには見えていない何かをツチグモは見ているのだろう。そして、それをツチグモは
少なくとも、母を救いたいと思うのはツチグモとて
しかし……
「本当に、それで
今のオロチには、そう
オロチには、何も分からなかった。分かる気がしなかった……
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