第124話 ルル・リリと一緒
クレイ 「断る……と言いたいところだが、二人に訊いてみろ。俺は仲間の意志を尊重しているんでな」
ルル 「いいにゃ。少し遊んでくるにゃ」
リリ 「今度はラルクに勝てるよう練習するにゃ」
クレイ 「身体強化も全部使っていいぞ。ちゃちゃっと片付けてこい」
ルルとリリを二人だけで行かせ、クレイはダンジョンで狩った獲物を査定に出す作業を一人で続行である。
サイモン 「行かなくていいのか?」
クレイ 「二人なら大丈夫だよ。何も心配はしてない」
ツトゾとルル・リリはギルドの訓練場に移動した。
ツトゾは長剣の木剣、ルルは素手、リリは短剣の木剣を取り、模擬戦の開始である。
調子に乗って二人同時に相手してやると息巻いたツトゾであったが…
…結局、猫娘相手にまったく歯が立たず、ボコボコにされてしまった。
ツトゾ 「ちょ…まて…二人がかりで卑きょぐぼっ!」
ルル 「二人同時に相手するって言ったのは自分にゃ」
リリ 「そもそも最初から一度も二人同時には攻撃してないにゃ」
ルル 「一人ずつやっても相手にならないにゃ」
そもそもツトゾは、素の状態の猫娘達にも勝てる実力はなかった。にも関わらず、猫娘達が【思考加速】【動作加速】【身体強化】の魔導具を発動した状態なのだから、まるで歯が立たないのである。
(※奴隷達に装備させている身体強化の魔導具の【加速】の効果ははマックス三倍程度に抑えてある。クレイはリルディオンからの魔力供給を受けられるが、奴隷達は自身の魔力を使うのであまり効果を上げすぎるとすぐに魔力切れになってしまうためである。)
ルル 「まいったかにゃ?」
リリ 「もう終わりかにゃ?」
ツトゾ 「……参リマシタ……」
殴られても打たれてもなんとか戦いを続け、あわよくば逆転を狙おうとしていたツトゾ。周囲の
ボロ雑巾状態になったツトゾは、一応、サイモンが認めた模擬戦ということで、ギルドに用意してあった
ランク認定基準を見直すと言っていたサイモンも、さすがにいきなり降格処分とはしなかった。ここから奮起して実力をつけてくれればというサイモンの親心であったのだが…
ツトゾ 「チクショウ…このままでは済まさねぇぞ……」
…どうやらツトゾは懲りていないようであった。
* * * *
ギルドの買取カウンターでダンジョンで狩った
(※ガルム組は買い出しに向かわせている。)
帰るのはクレイの家である。今はルルとリリも今はクレイの家に一緒に住んでいるのだ。
ガルム組はクランベースの周辺にいくつかに分かれて部屋を借りて住んでおり、結局ベースには誰も住んでいない。
ベースの
ルル 「ん~…ベースはいいにゃ」
クレイ 「何故だ? 家賃が浮くぞ?」
リリ 「クランのベースにゃのだから、当然ガルム隊が出入りするにゃ。きっと落ち着かないですにゃ」
言われてみればそうかと思うクレイ。出入りするガルム組は全員むさ苦しい男性である。彼らが頻繁に出入りする場所に少女二人を場所に住まわせると―――奴隷なので自重するよう命じておけば問題は起きないだろうが―――確かに落ち着かないかとは思う。猫娘二人とガルム組もまだ付き合いは短く、打ち解けているというほどでもない。
ルル 「ルルはクレイと一緒に住みたいにゃ」
リリ 「リリもそれがいいにゃ」
クレイ 「それはそれで問題があるだろう?」
ルル 「別になんの問題もないにゃ。ルルとリリはクレイの奴隷にゃ。むしろ一緒に住んで世話をする方が自然にゃ」
リリ 「身の回りの世話や、ベッドの上のお世話もしっかりさせてもらうにゃ」
クレイ 「言ったろ、奴隷ではなく仲間として考えていると。お前達を性奴隷のように扱う気はないよ」
ルル 「ルルはクレイなら構わないにゃよ?」
リリ 「リリもですにゃ」
クレイ 「俺の家は狭いんだよ」
クレイ 「だが…そうだな、研究室だった部屋を空ければ住む事はできるか…」
研究や魔導具制作が必要な時は、資料が揃っているリルディオンで行うようになったので、研究室は不要になった。
ルル 「やったにゃ!」
リリ 「ご奉仕できるにゃ…」
クレイ 「…主として命ずる。俺を性的に誘惑するような行為は一切禁止だ」
ルル・リリ 「そんにゃぁ……」
そうしてルルとリリと一緒に住む事になったクレイ。
奴隷として命令に逆らえないので、特に色っぽい展開はなく、クレイの平穏も守られる。この世界は【クリーン】を使うので風呂やシャワーというものもほとんど普及していないため、
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