第4話 嫁を引き取りに来たイケメン、一瞬フリーズ。

 辺境伯家のお迎えの代表さんは他の皆さんよりちょっとだけ細身の知的なイケメン。

 眼鏡かけてクイッとしてほしい。


 ボーイズなラブに出てきそうな素敵なお顔にボディです。眼福。


 馬車に乗る前に挨拶してくれたんだけど、

私を見てちょっとフリーズしたよね。


 お嫁さんを迎えに来たら平民風なワンピ着たちびっ子と侍女服の適齢期っぽい美人な女性。

 判断に困るよね。わかります。


「グレーデン辺境伯領よりお迎えに参りました。ルーク・サーキスと申します。リーシャ嬢、よろしくお願いします」

 って片膝ついて頭を下げられちゃった!確定せずにこちらが返答するのを待つと言う見事な回避術を披露された。


「サーキスさま、お迎えありがとうございます。よろしくお願いいたします」


 ニーナの服で一応わかってただろうけどそれでもかなり驚かれてるっぽい。


 ずっと周りとの身長差を見て考えてたんだけど女性の平均らしいニーナと頭ひとつ分くらい違うし、ここまで付き添ってくれた騎士さん達なんかふたつ分は違った気がする。

 おそらく140cmくらいなんじゃないかな。

 小学生低学年くらいかな?


 辺境伯家からのお迎えの人たちは体格も身長も王都の人より少し大きめだとすると私はマジで幼児枠かもしれない。


 

「これからの日程と予定を到着前にお伝えしますので同乗させて頂きますね」

 サーキスさまは一息吸って気持ちを落ち着けてから他のみんなに出発の合図をして馬車にエスコートしてくれた。


「まずここからあと三日の予定ですが途中の町で着替えや日用品を一通り買い込んでいきましょう。荷物が少ないように思いますが後日送られて来るのですか?」


 一緒に乗っているニーナに質問攻めである。多分なんだけど王様から急に言われて嫁取りの準備を少しはしてみたものの予想外にちんまい私でしかもこちらからの用意も無さげでやばそうなんだろうな。


 ニーナは目の前のイケメンに臆する感じもなく淡々と返事をしている。メンタルすごい。

 

「陛下からの書面に貴女のオレイユ家からの除籍とマーベルハント家との養子縁組の承認が成されています。貴女はリーシャ・マーベルハント伯爵令嬢としてグレーデン辺境伯家に入られます。婚姻届も既に教会に提出されたとの事です」


 マーベルハントはお母様の実家。王様はオレイユ家から完全に切り離してくれたんだ。

 王様がなぜ私を親身になって助けてくれたのか分からないけど、もうあの家に関わらなくても良いのは嬉しい。ニーナが少しホッとしてるのを感じる。


 すでに婚姻届出されてたのは驚いたけど貴族は親が相手を決めるっぽいし、今回は王様が決めたんだからもうそういうものなんだって感じ。

 

 サーキスさまくらいのイケメンまで行かなくても優しくてご飯をいっぱい食べさせてくれる人だと良いなぁ。

 

 王都寄りの街に比べたらかなり長閑な町や村で二回泊まってやっと辺境伯領に入った。


 途中途中で色々買い込まれてとても申し訳ない気持ち。でも王都から離れるにつれてお野菜が美味しくなって日用品を買うお店の隣とかで変わった調味料とか苗を見つけて。


 サーキスさまは私が気にしたものを全て買って下さったのだ!神!惚れても良いですか?

 

 あ、もう私結婚したんだった!

 まだ会ったことないけど。






 

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