幕間3 犯人
第26話
不破創一を殺害した。
実に呆気ない最期だった。
実力ナンバーワンとも言われていた不破が、こうまでもあっさり死んでしまうのだから、名探偵も案外大したことはない。
上手くことが運び過ぎて、少々怖いくらいだ。
とは言え、不破に勝ちの目が全くなかったかと言えばそんなことはない。
――紙一重。
ほんの少しの狂いで、不破に敗れることも十分あり得る状況だったのだ。
例えば、不破が服の中に隠していた蛇を一日目に部屋の外に放っていなければ、恐らく返り討ちにあっていたのはこちらだっただろう。
それは不破のミスというよりは、単に運が悪かったというだけのことに過ぎない。
だが、最も恐ろしい相手を倒すことに成功した。
運も実力のうち。
不破の死は大きな自信になった。
この驚異の殺人トリックは、名探偵が相手でも十分に通用することが分かったのだから。
――さて、次は誰かな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます