俺のラブコメがハチャメチャすぎるんだが?

れもじる

エピローグ

――お父さん、再婚することにしたんだ――


高校二年生になったと同時に俺は父からそう言われた

今日はお互いに顔を見せ合う日だ

少しの不安はあるけど、俺は嫌ではない

久しぶりに父の笑った顔を見たからだ



向かい合うテーブルに見慣れない人が二人座っている。

母らしき人はモデルのように綺麗でもうひとりは可愛い系の印象。

なんで二人いるんだ?母だけだと思っていたんだが……

そう考えているうちに父は話し始める。

「こちらが新しく十三とさのお母さんになる幸子さんだ」

「十三くん、私たちと過ごすのは慣れないかもしれないけど、これから仲良くしていきましょうね」

「よろしくおねがいします!」

 ここまではなんとなく予想できただが!

「新しく十三の義姉ぎしになる木葉このはちゃんだ」

「十三くん、不安だと思うけどこれからよろしくね!」

「よ、よろしく……」

 俺、そんな話一切聞いてねえよ!?


「ちょっと父こっちこい」

 僕は父の手をそっとひいてテーブルから離れる。

「聞いてないから!新しく姉ができるってこと!」

「あれま、言ってなかったっけな」 

 父は頭を掻いてそう言った。

「ん、ま、義姉ができる。そういうことだからよろしく!!」

「説明不足すぎんだろ!?」

 父がテーブルに戻ろうとしたときにあっ!と何か思い出したかのように言った。

「義姉がいくら可愛くて同じ屋根の下で過ごすからって羽目を外し過ぎないようにな!」

「外さねぇよ!!」


「幸子さん〜戻ったぞ」

 父は僕と話していたときとは違って声を明るく変えていた。

「やっぱり新しい母ができるのは嫌だったんじゃ……」

 心配そうな顔で幸子さんは俺に言う。

「い、いや!そんなんじゃないですよ!今日を楽しみにしていたぐらいですから!」

 俺は苦笑いしつつも場を持たせる。

「それならいいんだけど……」

 ほっと安心したように幸子さんは息を吐いた。

「なーに、これから一緒に暮らしていくんだ、敬語はやめて仲良くしような!」

 父はパーッと満面の笑みでそう言った。少しは相手の心情を察してほしいんだが……

「分かりました!あっ……分かった!」

 木葉さんはハッ!と自分が敬語を使ったことに気がついてすぐに言い直した。

 Oh……いちいち可愛いな……

「あっ!十三くんってスマブラ持ってるんだね!」

 木葉さんはテーブルの上に置かれてあった人転動にんてんどうのゲームのパッケージを指さした。

 あ、知らない人もいると思うので解説する!

 スマブラというのは『大乱闘スマンブラザーズ』の略だ。

 俺は一時期ハマって上手くなろうと練習した事がある。

 コンボ一つ一つの難易度が高く、コンボを極めるのに半年かかったこともあるほどだ!

「木葉さんもゲームするの?」

「うん、時々ね!お姉さんかなり強いんだ!」

 お、お姉さん・・・?聞き慣れない単語を頭の中で繰り返す。

 木葉さんなりに俺に対して優しく接してくれようとしてるんだろうか……

 木葉さんって言い続けるのも失礼だから木葉姉さんって言うようにしてみるか……

「ほう……実力が気になるところ!」

 単純に一人のスマブラユーザーとして木葉姉さんの実力が気になる!

「戦ってみる・・・?」

 木葉姉さんはニヤッと口の端を上げた。――わからせたいその笑顔――

「その勝負、受けて立つ!!」

「お、二人ともスマブラするのか?お父さん、人転動スイッチにスマブラのカセット入れてくるぞ〜」

 父はよいしょと席を立ち、テレビの近くにあるスイッチを起動をする。

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