燃える男

これはオレが仕事を終えて帰宅している時の話である。

オレはごく普通の一般企業に勤める冴えない会社員の雄二。

その日は終電に乗り、最寄りの駅に着いて暫く道を歩いていた。

すると、反対方向から雄たけびを上げながらこちらに近づいてくる者がいた。

オレはその姿を見て思わず悲鳴を上げる。

「ひぃぃぃ!」

それは真っ赤に炎に包まれた男?が全力疾走で走ってくる。

「うおぉぉぉ!」

男は雄二を過ぎ去ると真っ暗な闇の中へ消えていく。

雄二は唖然とし、その様子を電柱柱の上から稲荷が見下ろしていた。

「フフッ、彼は怪談になるわね」

その次の休日。

雄二は高校時代の友人である良平と彼の連れの恵理加と喫茶店で話をした。

「それって状況だよ」

「……もしかして稲荷たちの仕業かよ」

「いや、何でもかんでもオカルト話のせいにするなよ」

「ここ最近の未解決の事件はそのオカルト話に結びつかない?それにあの男に会う方法が見つかったわ」

恵理加は今度こそ稲荷を連れ戻そうと決意する。

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