第五話 ダンジョン探索、ついに開幕
学校に到着し、一通り授業を終えると、ついにダンジョン探索の授業が始まった。
バスに乗り、ダンジョンの前に到着する。
考え事をしながら乗っていたからか、バス酔いしてしまった、何度ビニール袋に内容物を出そうと思ったか……
……というかそもそも、俺は乗り物がどうしても苦手だ、ジェットコースターに乗ろうというもんなら、内容物が宙を舞うだろう
そんな中、バス内では、あるものが配られた。
冒険者が使う「ステータスチェンジャー」と呼ばれる腕輪だった。
スマホでステータスアプリを開いた状態でこの腕輪の差込口に入れると、各々のスキルによって動きやすい服装になるらしい、技術の発達もここまで来たか。
バスを降りた一向は、教員の指示でステータスチェンジャーにスマホを入れ始めた。
「ステータスオープン」という言葉が嫌というほど聞こえる、俺も同じことをしなきゃいけないと思うと顔をしかめた。
「ステータスオープン」
画面にこれまた嫌というほど見るプロフィールが表示され、腕輪に差し込んだ。
下に目をやると、見慣れた制服から、単色の作業服姿になり、腰に目をやると鍵の束がベルトにかけてあった。
周りはというと、西洋風の騎士の姿だったり、それより重そうな装甲を身にまとったり、反対に動きやすそうな服になったりなど、ダサい俺の作業服とは比べ物にならないくらいかっこいい衣装を身にまとっていた。
お互いに「お前かっこいいな」「服装交換しない?」「俺のだっせー」と言いあったり、スマホの自撮り機能で記念写真を撮ったりしていた。
指導係である体育教師が「はいじゃあ、指定した引率の先生の前に班ごとに集まって!」という指示を言った。
俺は眼鏡の女教師(名前は忘れた)の前へ向かった。
既に小松と以下金魚のフン2人と陰キャ女子が集まっていた。
小松は鋼鉄な装甲が目立つ騎士姿、三沢は西部劇にいそうな白い手袋に暗めな配色の半袖半ズボン、羽田は露出度高目な明るめな服に手袋とマントが目立ち、岩国は海外のアニメ映画で出てきそうな魔法使いの姿をしていた
「全員揃いましたね」という女教師、俺は今すぐにでも帰りたいと思った。
「いいか!? 第一階層は比較的君たちでも対処できるモンスターしかない! だが不測の事態が起きる可能性は十分ある! もしもそうなった場合は自分の身を第一に考える事! あと基本的に先生方とともに行動しますが、そういった状況になった場合は先生の指示ですぐに出口へ向かうこと! いいな!?」
体育教師が、そんなことを叫ぶ。
少々気のない返事をする一向に、「これは大事なことだぞ!? 気を引き締めろ!」と怒り出した。
不測の事態……まだ聞いたことはないが、確かにそれの第一号になるのは嫌だ。
作戦会議という名の雑談では前方に小松と三沢、後方に羽田と岩国、真ん中に俺という配置になった、というか近接攻撃が前で、遠距離攻撃は後ろで、使えない奴は真ん中って、誰が考えてもそれにしかならない。
女教師……言いづらいから眼鏡でいいや、眼鏡は「さぁ気を引き締めていきますよ!」と言った
はきはきと返事をする陽キャ3人衆、俺と陰キャちゃんは小さく返事をした。
配置的にSPに囲まれた要人の気分を味わえると考えると、気分が和らいできた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます