実験記録 ××××年8月7日 その3

だが分からないのは、何故そこまで体温を下げる必要があるのかだ。


ゾンビ化の原因がウィルスだとすれば、宿主の体温はウィルスが死滅しない温度まで下がれば良い。

外気温レベルまで体温が下がってしまうと、体内でのウィルスの増殖効率も低くなるのではないか。

この体温では、まるで変温へんおん動物のようではないか。

爬虫類や両生類のような変温動物は、体温維持の必要が無いためエネルギーの消費が少ないという利点がある。

従って変温動物は、哺乳類のような恒温動物よりも飢餓に強く、わずかな食糧で生きられるのだ。

ゾンビが何日も飲まず食わずで生きていられるのも、変温動物のように代謝たいしゃを抑制しているのが理由であるかもしれない。

では、変温動物のように、気温が下がれば、ゾンビの活動レベルが低下していくのだろうか。

これは、ゾンビの行動実験を行っている部屋の温度を変化させれば判明する。是非ぜひとも試してみたい実験だ。


続いて、RNA抽出の続きを行う。

凍結しておいたサンプルに、クロロホルムを加えてボルテックスミキサーにより撹拌ボルテックス

遠心分離機にかけて遠心スピンした後、水層をピペットで吸い取って別のマイクロチューブに移し、イソプロパノールを加えてイソプロ沈殿を行いTotal RNAを得る。

RNA沈殿をTEバッファーに完全に溶解ようかい後、定量(データ表参照)。

逆転写酵素の入った反応液にRNA溶液を加え、48℃で1時間保温(逆転写)した後、85℃に移して酵素を失活させた。

こうして、cDNA(complementary DNA = 相補そうほ的DNA)を作成した。

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