コメント失礼します。
一義一幕の会話劇。
作者は思いを込めて読者にロングショットを向ける。
読後に受け取る気持が伸るか反るかで大きく評価の分かれる短編です。
生死事大な場面での独白は人生観を示す言葉の吐露を呼びます。
自身を賭けて争い得る得難い敵の喪失は自身を賭けるに値する世界の喪失なのでしょうか。
アイロニカルな苦悩を感じさせる興味深い短編で、楽しめました。
ありがとうございました。
作者からの返信
木山喬鳥さん、こんばんは。
温かなお言葉をありがとうございます。
おっしゃる通り、これは読者の皆さんがどのような過去を過ごされて来たかで読後の評価が大きく異なる物語です。良き悪きという判断以上の何かを感じてくださったなら作者として嬉しいですが、それは皆さんの器に委ねております。
他人とは、恐らく自分の内面が形となったものなのです。つまり、敵や友との出会いは自分と同質のものとの出会いです。彼らがもたらすものは何であれ、人生の目的に直結する試練であり、幸福であり、探偵にとっては失うことなど考えられないような輝きだったのでしょう。
大人の文体、ずしんと来る台詞、乾いた表現・・・・ハードボイルドですね。
陳腐な言葉ですが、グッときました。
勉強になりました。
作者からの返信
冷門さん、こんにちは。ここ二日間体調を崩しておりまして、返信が遅くなってしまい申し訳ありませんでした💦
温かなお言葉をありがとうございます。レビューまで頂けて大変励みになりました。
昔のアニメのカウボーイビバップの1シーンを見ている様な気持ちになりました。
子供である「僕」が大人になると、探偵は「僕」を振り返る事無く去って行きそうな予感を思わせる終わり方が切ないですね。
作者からの返信
三毛猫みゃーさん、こんばんは。
メッセージをありがとうございます。
探偵はもう戻らぬ人を想い続けるがあまり、生きながら死人となってしまいましたからね……。「僕」は引き留める術がないと悲しくも悟っています。
「カウボーイビバップ」は良いアニメなんだそうですね。私もいつか観てみたいです。
編集済
こんにちは。近況ノートから興味を持って読ませてもらいました。
言葉は少ないながらも、友を失くした探偵の痛みがひしひしと伝わってきますね。心の中では後悔などの感情が渦巻いてるのでしょうが、それを表に出さないところがかえって悲愴さを増しているように思えました。
親友と呼べる存在を見つけるのは難しいですよね。大人になればなるほどありのままの自分をさらけ出すことに恥ずかしさを覚えて。
でも、こういう匿名の場でも自分の内面を打ち明け、それを受け止めてくれる人がいれば、それはそれで喜びの1つなのかなとふとした時に思います。
作者からの返信
瑞樹さん、こんばんは。
いつもありがとうございます!
この作品も読んで頂けてとても嬉しいです。
「僕」は探偵を慰めたいけれど、探偵の思い出には立ち入れず、「あの人」の代わりにもなれないということを悟っている。本当に難しい状況です。あまり語らない人だからこそ、深く傷ついているということが分かるから……。
最近、映画「Stand by Me」を観ました。劇中登場する主人公とその友人たちは、皆それぞれ悲惨な環境に暮らしているのに、友情から力を得て日々を強く生きているという感じがして、切ないけれどとても素敵だったんです。
でも、本当に瑞樹さんのおっしゃる通りだと思います。直接的な接触はなかったとしても、心を砕いて綴った文章にこうして沢山のメッセージを頂けることは何よりの喜びです。小説も私の分身みたいなものですもんね。
古い映画のワンシーンのようなハードボイルドさでした。
色々複雑な理由や立場があるのでしょうね。
作者からの返信
蒼珠さん、こんばんは。
コメントをありがとうございます。
失った友に探偵は未だ別れを告げられずにいるのです。けれど、守らなければならない「僕」の存在が、彼を歯痒くも現世の岸に引き止めています。心はとっくに後を追っているのに……。
短編企画より失礼致します。
「俺なら後を追う」と言った時の探偵の表情は、どうなっていたのでしょうね……。
少ない口数の中に人間性が現れる様は、まさにハードボイルド。
片割れを失い一気に精彩を欠くプロフェショナルという設定・シチュエーションは個人的に好みですので、その点も楽しませていただきました。
出過ぎた真似ですが、探偵の容貌や年齢について記述があれば、より物語に深みが出るかなと思いました。
今後の執筆も頑張ってくださいませ。
作者からの返信
有明さん、こんばんは。メッセージをありがとうございます。
失った友に未だ別れを告げられずにいる探偵。凶弾は友の命を奪ったばかりか探偵の心にも深い傷を残したのでしょう……。
起承転結のない物語を嫌う方もおります故、「好み」と言って頂けてとても嬉しかったです。
探偵の容貌や年齢について詳細に記載しなかったのは、彼をキャラクター化したくなかったのと、きっとどの人の胸の中にも存在するであろう「傷心の人」の面影を当てはめて頂きたかったからです。悲しくも美しいその人の生き様に私は立ち入りたくなかった。とは言え、親切なご提案を感謝しております。
自主企画「孤高の短編小説を称える本棚」から拝読させていただきました。
純粋は孤独を好むのでしょうか。
濁ることを恐れる故に守る者を持たぬ孤独の魂は、同じ景色を共に臨む友との邂逅を待ち望んでいたのでしょうか。故にひと度その得難い邂逅を手にした魂はその一瞬にこそ生の悦びを感じ、その友を失った未来には絶望を感じたのでしょうか。
与えられた者達にとって余りに孤独なこの世界を炙り出す貴作には溜め息の出るほどの読後感を感じさせていただきました。
この度は自主企画へのご参加に心より御礼申し上げます。どうぞ益々のご活躍を祈念申し上げております。
作者からの返信
崎谷さん、こんばんは。
お褒めの言葉をありがとうございます。
崎谷さんのおっしゃることはまさに私がこの作品で伝えたかったことです。コメントを拝見した時、あまりの驚きと嬉しさにしばらくぼうっとなりました。素敵な企画に感謝しております。
「俺は穏やかな百年など望まない。百年分の一瞬があればいい」
しびれる台詞です!
ハードボイルドな探偵の一言。
後悔がじわりと伝わる
物語でした
作者からの返信
南山之寿さん、こんばんは。
温かなお言葉をありがとうございます。
この作品は友人のSSに触発されて書き始めたのですが、書き終えるまでずっと探偵の気持ちになっていました。私も「この人」と思える人がいたら、最後の瞬間まで共にしたい。取り残されるほど悲しいことはありません……。
A man never knows how to say goodbye. への応援コメント
タイトル通りの静かなな絶望と、言葉にならない愛情が染み渡るようなお話でした。
「探偵」という理性と論理の象徴が、感情の深淵で揺らぎ、壊れていく過程を、雨の音と煙草の煙の中に美しく沈めて描く筆致が圧巻です。
彼が涙を見せるのは、失った友への哀惜であり、同時に自分の半身を失った痛みでもある。
「俺は穏やかな百年など望まない。百年分の一瞬があればいい」という言葉には、愛と死、そして生の虚無が凝縮されていて、胸を打ちました。
タイトルの「翳りゆく部屋」は、探偵の心そのもの。
光を失いながらも、そこにまだ微かな温度を残している感じがしました。
読後には静かな余韻と、どうしようもない喪失の重さが残りますね!素晴らしいです☆
作者からの返信
朝霧巡さま。こちらの短編まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
探偵にとって、亡くしてしまった友は自分の半身であり、この世で得られる希望と喜びそのものだったのでしょう。
「翳りゆく部屋」というタイトルは朝霧さんのおっしゃる通り、探偵の心をそのまま表したものです。感じて頂けてとても嬉しいです。
歳月人を待たず、流るるが如し。それは時にとても残酷なことです。
半身を失った探偵が、再び光を見出すことは出来るのでしょうか?
際限なく降る雨の音を聞きながら、どこかもうこの世の人ではないような探偵を見つめる「僕」は、ただ諦めの中にいます。