タイトル︙題名が決まりません。
ネクラギ。
第1話 始まり.
『この充電器錆びて使いづらいんですよ』
患者の親として来たお婆さんとのはっきりしない空気感を紛らわす為に暗く主張するコードが視界に入ったので意味もなく詳細を述べた。
『絵を好んで描かれてたんでしょうね』
「調べたらそんなことも載ってるんですか」
お婆さんは透き通る白の髪を凛とさせ言った。
『近頃は何でも調べられますしね』
「怖いですね、使いようによっては恐ろしい」
『そうですねー』
私は適当な返答で受け流した。
そして続けて問う。
『生きる価値があったんでしょうね』
お婆さんは垂れた上瞼を持ち上げるように
こちらを覗いてきた。
『死ぬ価値と生きる価値は対等です。』
自分でも驚く程、理論をその場で正当化した。
日の最後には人は眠る。
明日何しようか考えたり今日の事を思い出す。
私は市販のプリンのカラメルソースを
容器に入れた後にプリン本体を上から入れる。
その時にカラメルソースが綺麗なまま維持するのをどうしているのかと構造を考えていた。
もしも人間が空っぽの感情のない動物だったら
眠りに入る時、何を考えるのだろう。
『コーヒーでも淹れましょうか?』
「いや、手短にお願い致します」
その言葉に押される様に椅子に戻った。
喜怒哀楽なら後半にあたる感情のはずが
なぜか私は楽しかった。
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