第95話 変な理屈かもしれないけれど
入ったところでは広い空間になっていて、端に階段がある。
本館と似たような感じだけれど、こっちが少し広い感じ。
そしてやはり入ると同時に敵が向かってきた。
今回はデュラハン1体、スケルトンナイト2体だ。
周囲がやや狭いので思い切り戦斧を振り回すのは諦め、大人しく突きの連続攻撃。
『槍奥義:流星進撃3段!』
更に今回はその後におまけで少し広めに戦斧で突く。
『槍技:
スケルトン3体が倒れた他、風景の一部が動いた気がした。
なるほど、こうやってゲンエイグアナを見つけるのか。
ただしゲンエイグアナは
とりあえず確認出来ればそれでいい。
今はラッキー君のレベルアップ優先だから。
なおラッキー君は私が攻撃したので前に出ずに待っていた。
だからこう言ってやる。
「ラッキー、やっていいよ」
ラッキー君、ダッシュした。
あとはもう任せておけばいい。
割とあっさり5匹倒して、そしていつもの終了表示。
「基本的には本館と同じ感じだね」
「その通りです。出る魔物もボス以外は同じです」
「そしてこの上2階を攻めればいい訳か」
「ええ。下の第一階層にはボスがいますから」
なるほど。
なら特に遠慮せず本館と同じようにぐいぐい進もう。
ただ戦斧は神槍に持ち替える。
建物の中では戦斧は大きすぎて振り回せない。
不本意ながら交代だ。
階段を上る。
予想通り上ってすぐにスケルトン類3体が出てきたので突きまくって技を出して対応。
スケルトンナイト2体とスケルトンカサドール1体を倒し、ラッキー君によるゲンエイグアナ退治。
終了メッセージを確認した後、改めて第三階層の様子を見てみる。
廊下があり、左に部屋が2部屋あって、その先は廊下そのものが広くなって部屋のようになっているという造りだ。
とりあえず見える部分には敵はいない。
ラッキー君の反応を見ても大丈夫そう。
「ちょっとこの階の部屋を見てみていい?」
「いいですけれど、何もないと思います」
部屋は石造りで小さい窓がある。
家具類は無く、床も天井も壁も石造りの部屋。
もっとも使用していた当時は家具があったのかもしれない。
ただ長年の間に朽ちて無くなってしまっただけで。
部屋も廊下の奥の広間も何も無かった。
ただ壁、天井、床、窓だけの空間だ。
「ごめん、やっぱり何もなかった」
「ひょっとして何か探しているものがあるんですか?」
実はその通りだ。
「本館の5階、スケルトンナイトが扉をかためている部屋があったよね。あの部屋が何なのか、何処かにヒントがないかと思って」
実は最近読んだWeb漫画でそんな展開があったのだ。
だから此処でも似たような展開が無いかなと思って探してみた訳だ。
結果的にはここ第3階層には何も無かったけれど。
「そう言えばこの上の第4階層の奥の扉もスケルトンナイト3体が動かず守っています」
えっ!?
「本館5階と同じなんだ」
「ええ。ただこちらでも本館でも何かイベントが起こったという報告は無いと思います。
此処の場合、立っているスケルトンナイト3体を倒して中に入っても何もありません。かといって下のボスを倒してから此処へ来た場合、スケルトンナイトはいない上、やはり部屋の中には何も無いという状態らしいです」
なるほど。
なら此処に何があるか探すのは無駄かもしれない。
ただ何となく気になるのだ。
「とりあえずこの上の第4階層を見てみていい?」
「勿論です。行きましょうか」
階段を上がって第4階層へ。
今度はスケルトンが襲ってこない。
見ると廊下の先にスケルトンナイトが3体いる。
ただこっちに来るような動きは無さそうだ。
第4階層の間取りは第3階層と違い、手前側には部屋がない。
そのかわり第3階層では廊下の奥の広くなっている場所の上が部屋になっているようで、そこに壁と扉がある。
スケルトンナイト3体が立っているのはその扉だ。
「確かに本館5階と同じだよね」
「ええ。ただこれに関するヒントになるような文書等は今のところ報告はありません」
うーむ。
凄く何かありそうで気になる。
ミスリードという可能性はない事もないけれど、気になる。
ここで倒してしまうと後で何かひっかかったままになる気がする。
「ここも本館5階と同じで後回しにしていい?」
「大丈夫です。病院跡でそれくらいは稼げますから」
「ありがとう」
一度じっくり考えてみよう。
この辺の考察や過去のトライなんかも検索して。
「それでは下に戻ります。今度は外へ出て病院跡です」
階段を2階分降りて、広い空間を横切って外へ出る。
倒したばかりだから敵は出ない。
外へ出て、階段を降りる前に海の塔の建物を見てみる。
第4階層の奥の部屋のものらしい窓が見える。
ひょっとしたら壁を上って部屋に行けないだろうか、なんて考えてみた。
風化した石壁だからロッククライミングの達人なら登れそうだ。
ただ私は残念ながらそういった技能はない。
見た限りそれが正解とも思えない。
ただ此処からは海の塔の東側と北側しか見えない。
他の方向の壁に何かある可能性もある。
いずれにせよ自分なりに情報を集め、考えてから調べるなり何なりした方がいいだろう。
意味がない行動なのかもしれない。
でもこの世界はゲームである筈なのだ。
だったら少し位は楽しんでもいいだろうし、楽しみの要素が入っていてもおかしくないだろう。
変な理屈なのかもしれないけれど。
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