第19話 ちちのせなか

ちちのせの

ひのたまちらす

のぼりりゅう

わすれたいのに

ゆめにまででて


私の父は若い頃にヤンチャをしていました。

若気の至りと言えばそれまで。


しかし、子供の私はこの事で随分と嫌な想いをしました。


小学生の五年の時、

クラスの悪童の男子五人に

囲まれて、その事をからかわれました。


その時、私は思い切り、それを言葉に出した男子の顔をゲンコツで殴りつけました。

他の男子にも蹴りを入れました。

運悪く、蹴りをくらった男子の足の骨にヒビが入り、大事に。


校長先生まで出てきて、めちゃくちゃ叱られました。

でも、私は喧嘩の原因は言いませんでした。

刺青を入れてる事を先生に知られたくなかったから。


私は凶暴でどうしようもない子供と見られるようになりました。


当時の日本は墨者は犯罪者あつかい。

いくらやり直したくても、世間は

そうは思ってくれませんでした。


見かけで反社とか墨者ではないか?

そんな事を平気で聞く人は、外見でしか人を見ていない。

外見でその人の真実なんてわからない。


実にくだらない質問をする人が今でも

いることになんだか、落ち込みます。


あっ、でもね。

悪童男子はそのあと、私の子分になりました。

おーほほほ。

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