幕間3 母娘コラボその2 帝星ナティカ 禁断の◯◯◯・サンドイッチ 前編


ゆめうつつちゃんねる

【母娘配信】娘に絵と液タブを教わります【ゆめうつつ/帝星ナティカ】

1.5万人が視聴中 チャンネル登録者数14.7万人

#うつつはぬかさん



:ゆめママ2回め配信待機

:あの伝説の初配信から待機

:やべー扉開いちまったな

:何回もリピートしてるべ

:↑仲間よ……

:おっとはじまるぞ

俺は永遠に待ちわび続ける:今宵の配信にも馳せ参じるほどに待ちかねたぞ!

:兄さん!

:もうゆめママ、ヤタプロの一員みてえだwww

:さあ、デュエル開始ィ!


「………………」

「………………」

「………………」

「………………」

「え? 配信はじまってます?」


:おいwwww無言続けすぎぃ!www

:ナティ姉がキョロキョロしてるwww

:ゆめママのモデルもしゅき 黒髪ショートヘアーでオーバーオールってマジツボ


「ゆめママ? 挨拶しないんですか?」

「………………」

「え、私が先に挨拶しちゃうんですか? ゆめママのチャンネルなのに……ええと、こんナティカー。YaーTaプロダクション1期生、帝星ナティカです。今夜もあなたの一番星となれますように。

 今日は私をデザインしてくれた、ゆめうつつママの配信にお邪魔しています。今夜はよろしくお願いしますね、ゆめママ」

「………………」

「ゆめママ……もうママの配信が始まっているんですから。覚悟を決めて挨拶しましょうよ」


:ゆめママ無言www

:たぶんオフコラボだと思うんだけど、ゆめママがどうなってるのか同席のナティ姉しかわかんねえww

:俺達、チャンネル間違えてねえ?www


「もしかして、急に恥ずかしくなっちゃいました?」

「ん」

「大丈夫ですよ。ゆめママの声、ものすごく褒められてたじゃないですか。ありのまま行きましょう」

 

:んだんだ かぁいいんだワァ

:キュート全振りボイスでした

:ヤタプロ特待生と言われても違和感ないレベル


「ですよね、可愛いですよね! 喋り方は独特でお姉さんもびっくりしましたけど……それじゃあリスナーの皆さん、ゆめママを迎え入れる準備は大丈夫かな?」


:はーい!(5歳児

:うたのおねえさんみたいな喋り方www

:ナティ姉、無意識っぽいww

 

「それじゃママ、挨拶がんばってみましょう」

「……ん」


:あの受け身なナティ姉が進行役をする姿を拝めるとは……

:成長したなあ、姫さんも

:初見だから楽しみ


「……娘にいつまでもいづまども迷惑さかけらんね。んだば、腹さくくるだ」


:ファ?!?!!?


「こんばんわぁ、もいちどはじめましてはずめますで。ナティカのデザイナ担当たんとのママ、ゆめうづづです。今夜こんよば、よろしくち」

「はい、よろしくお願いしますね、ゆめママ!」


:まさかの方言っ娘!

:コメントで見かけた時は標準語だったからギャップが激しいwww

:そりゃ伝説にもなるw

:どこの地方なんだろ?

:後で切り抜き見なくちゃだな 欧州の言葉にしか聞こえんww

:声は若めなのに喋り方がおばあちゃんっぽい……不思議

:団長と絡ませたらいい感じの老夫婦コラボになりそう


「お姉さんも最初は面食らってしまいましたが……よくよく考えてみれば、文章を書く時にわざわざ方言では書かないし、ビジネスの場では共通語でなきゃ駄目ですもんね。喋りだけが方言でもおかしくはないかなって」

「娘から馬鹿にされんで安心したわぁ。声でよお分かんど」

「一生懸命に頑張っている人を目の前にしているんですから、馬鹿になんてできないですよ。それに私と配信したいからってわざわざチャンネルを開設してくれたんでしょう? もう本当に嬉しくって……」

「……照れるぜ」


:照れ声可愛い

:てぇてぇ母娘コラボいいぞ~

:ヤタプロ母娘はてえてえが過剰に補給できてたまらんばい

:ゆめママは本当に姫を溺愛していらっしゃる


「では今日の配信の趣旨は私が説明しますね。実はゆめママ、普段は全部アナログ作業なんです。だけど今後の配信のために液タブの使い方を覚えたいとのお話でしたので、私に声がかかった次第ですねー」

「絵の描き方も教えてもらわにゃあいかんですわい」

「そのお話、やっぱり冗談じゃなかったんですね……」

わっち、絵は感覚で描いちまうち……ナティ姉のほうがよっぽど上手うみゃあ。実力じつりきありゃあ人に弟子入りするはおかしな話じゃ無かん」


:タレントに絵を教わるイラストレーターの図……こんなこともあるんやなあ

:ゆめママ、三面図をナティ姉で初めて描いた言ってたっけ

:ゆめママの絵は好きな人はめっちゃハマるけど、そうじゃない人には評価が低いのよね

:言うてナティ姉、プロでも普通に通用するくらいの上手さよな 教え請いたいは納得

:実は元プロ説、まことしやかに囁かれておる

 

「正直な話、人に教えられるほど上手でもありませんし、お姉さんはゆめママの絵が大好きなのです。お気持ちはとても分かりますけど、下手に教えたくはないのです。私という不純物をゆめママの絵に混ぜたくないな、という事ですね」

「あうあう」


:よくぞ言った姫さん!

:ゆめママはゆめママでいいのよ。それがママのリスナーの総意だと思う。

 

「でも液タブのほうは少しずつ教えていこうかなって思います。お姉さんも一緒にお絵かき配信したいですし」

「助かるー」

「まずはペンの使い方をしっかりと身につけましょう。そのために今日はこのゲームをご用意しました」

「ほいきた!」

「お絵かきして絵を売って有名な画家になろう! お絵かきさん御用達ゲーム『パスポート・マット』です!」


:きた! ワルビーと並ぶ姫さんの看板ゲーム!

:この配信でもナティ姉の株がかなり上がったよね

:個人的には絵のAI判定がちょっと謎目線だってのが気になる


「今日はゆめママに、液タブを使ってキャンパスへもりもり描いていただきます」

わっちぁこのゲーム、ミクロも知らんのだげど、できるんけ?」

「できます! 絵を描くツールは本当に必要最低限しか使えないですが、逆にその仕様が入門にはうってつけなんですよ。ブラシと色を選んで描くだけですから」

「ほむほむ、なーほーね」

「最初はアナログと感覚が違うので大変かもしれませんけれども、このゲームで少しずつ慣れていきましょう」

「よっしゃ。んだば、まずはお得意のナティ姉さ描くど! 娘さ売りさばいて億万長者になるち!」

「言葉だけ聞くと相当不穏に聞こえるんですけど……」


:ゆめママだからこそ言えるパワーワードWWW

:やべえ、おらワクワクしてきたぞ

:事件の予感がする とても笑顔になる事件の予感が



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る