毎月300字小説企画参加作品(2023年~)
虚影庵
おしまいの音(第19回 お題「きらきら」)
世界はすべてきらきらと光っていました。
小さく割れたガラスのかけらたちが、落下しながら陽光をはじいているからです。
生き物も、建物も、すべて溶けて消えてしまったむきだしの地面に、ガラスたちは落ちてゆきます。地にあるガラスとぶつかって、高く澄んだ綺麗な音を響かせて、それは降り積もってゆきます。
長く、長くかかって、空中ではなにも光らなくなり、地上でもなにも音を立てなくなりました。
その様子を見守っていたモノが、ふうと溜息をつきました。
「まあまあ、でしたね」
その言葉を聞いて、小さなモノたちがまた新しい世界をつくりはじめます。あの方が満足するような、世界が壊れる時に聞こえる音を奏でるために。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます